めんどくさがりには成功者が多い、本当に仕事ができる人はめんどくさがり屋が多い。
そんな話を一度は耳にしたことがある人もいるでしょう。
例えば、レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長で「レバレッジ・シリーズ」などのベストセラー作家でもある本田直之さんは、著書の中で「面倒くさがり屋だから成功する」と語っておられます(本田さん自身も飽き性で面倒くさがり屋で怠け癖があるそう)1。
めんどくさがり屋が仕事ができる、成功すると言われる理由はいくつかあります。
今回はその理由について解説していきますが、重要なポイントは、このめんどくさがりの強みを知ってうまく活用していくこと。
・めんどくさがりが仕事ができる理由がわかる
・良いめんどくさがりと悪いめんどくさがりの違いがわかる
・めんどくさがりに向いている仕事がわかる
<この記事は約3分で読める!>
第1章:「めんどくさがり」は仕事ができる?その3つの理由
「できるめんどくさがり」は仕事ができるって言われている理由が以下の3つです。
これがめんどくさがりの大きな強みですね。
理由①:「できるめんどくさがり」は仕事が早い
真面目にコツコツが美徳とされる日本って、良くも悪くも「完璧主義」的な傾向があると思います。
日本では電車やバスの到着時間が正確ですが、海外だとそのあたりはルーズだったり。
新型コロナへの対応を見ても、手洗い・マスク・うがいといった基本的な衛生管理をきっちりやる日本の国民性が、感染拡大をある程度抑えている1つの要因になっていると思います。
一方で、労働生産性が低い、時間外労働が多すぎるといった問題も日本にはあります。
真面目にコツコツは美徳でもある反面、生産性やスピードという点で見ると少し足を引っ張っている部分はありますよね。
「手を抜いてはいけない」「完璧に仕上げないといけない」こういった考えがあるとどうしても仕事の早さは落ちやすくなりますが、「できるめんどくさがり」は考え方が違います。
彼らは100点満点を目指すことはしません。60点でOKな仕事は60点で終わらせます。
無駄な労力やコストをかけずに、さっさと次に進みます。
「60点でいいなら60点でいいじゃん。必要ないのに100点を目指すのめんどくさいでしょ」と考えているので、多少は雑でもいいからスピードが求められる仕事に関しては高い実力を発揮します。
また、めんどくさがりは仕事を先延ばしにしがちって特徴もよく挙げられますが、これも仕事の早さにプラスです。
めんどくさがりは期限や締め切りが迫ってくると爆発的な集中力を発揮することがあり、とてつもない早さで仕事を終わらせてしまうことがあります。
理由②:「できるめんどくさがり」は効率化がうまい
「できるめんどくさがり」は仕事をもっとラクに進めたい、もっとラクに終わらせたい、無駄な手間は省きたいと考えています。
なので自然に仕事のプロセスや段取りを工夫するんですね。
めんどくさがりは、様々なことにめんどくさいと感じるからこそ、労力やコストがかかるポイントを嗅ぎ分けるのがうまいとも言えます。
めんどくさいポイントを見つける嗅覚が優れているわけですね。
「もっと仕事をラクにするにはどうすればいいんだろう?」「どんなやり方をすればさっさと仕事が終わるんだろう?」
そうやって考えて工夫することによって、仕事を効率化するアイデアをどんどん思いつき、実際にそのアイデアを使って仕事を効率的に進める。
できるめんどくさがりは、この効率化を自然と繰り返しているので効率化がうまいんですね。
理由③:「できるめんどくさがり」は時間の使い方がうまい
仕事のスピードが早い、効率化がうまい。これはつまり、時間の使い方がうまいということ。
できるめんどくさがりは普通の人よりも時間の余裕を作り出すのがめちゃくちゃうまいんですね。
余った時間を仕事に使ってさらにガンガン仕事を進める、心身のリフレッシュに時間を使う、プライベートを充実させるために使う、家族と過ごす時間を増やす。
どう使うかはともあれ、できるめんどくさがりはこうやって自分の時間を上手に使えるんですね。
こうやって時間を使える人とそうでない人とでは、年齢を重ねるごとにどんどん差が開いていくでしょう。
これが「めんどくさがりは仕事ができる」と言われる大きな理由ですね。
第2章:仕事における「良いめんどくさがり」と「悪いめんどくさがり」
しかし一方で、良いめんどくさがりと悪いめんどくさがりがあるのも事実です。
この違いを正しく理解しておきたいところ…。
仕事における「良いめんどくさがり」
仕事における「良いめんどくさがり」とは、第1章でもお話しした「できるめんどくさがり」のこと。
めんどくさがりの強みをうまく活用して仕事が早く効率よく進めて、時間をうまく使うめんどくさがり屋のことです。
彼らは「もっと仕事をラクにするには?」という考え方を持っているため、改善案を考え、工夫し、これを繰り返すことによって仕事を早く効率的に進めることができます。
この強みは個人の生産性だけではなく、チームや会社全体の生産性にも良い影響を与えることがあるため、めんどくさがりは重宝される人材として評価される場合もあります。
仕事における「悪いめんどくさがり」
ただし「悪いめんどくさがり」の場合はめんどくさがりの特徴が暗黒面に堕ちます。
「もっと仕事をラクにするには?」と考えることもめんどくさいと感じてしまい、考えることも動くこともしない究極の怠け者に…。
これはNGなめんどくさがりのパターンですね。
100点が求められる仕事に対して60点で手を抜く。60点が求められる仕事も40点くらいで仕上げて手を抜く。自分では何もしようとせず、どんな仕事も人にすべて丸投げする…。
さすがにこれはマズいです…。
朝、耳元で目覚ましが鳴る。ぼやけた視界が徐々に開け、頭のモヤが晴れてくる。朝だ、と気づく。 と同時に、いつものように憂鬱な気分に襲われる。平日の朝はいつもこうだ。仕事に行きたくない、めんどくさいと感じる。重い体をなんとかベッドから起こし、朝[…]
「もっと仕事をラクにするには?」という考えの有る無しが差を分ける
仕事における良いめんどくさがりと悪いめんどくさがりを分ける違いは、「もっと仕事をラクにするには?」という改善思考があるかどうか。
もっと言えば、目の前のめんどくさいことを効率化するために頭を使って工夫することができるかどうか?が差を分けるのではないかと思います。
ここをめんどくさがってしまうと「悪いめんどくさがり」ルートへ一直線です。
でも「このめんどくさいことを放置する方が後々めんどくさいことになるぞ」と考え、効率化に向けて動き出せる人は「良いめんどくさがり」ルートへ進むことができるはず。
第3章:「めんどくさがり」に向いている仕事は?適職はある?
ではでは、そんなめんどくさがりの強みを活かせる仕事・適職ってあるんでしょうか。
少し考察してみました。
強みを活かすなら「業務改善」系はアリかも
めんどくさがりの強みを発揮すれば、もっと仕事をラクにする、今より業務プロセスを効率化する、という仕事はできると思います。
例えば、「業務改善 求人」と検索してみてください。業務改善が得意な人を欲しがっている会社・企業はかなり多いです。
求人が多い=その能力に価値があるということの証拠なので、活躍できる場所は多くある印象ですね。
また、今の会社で業務プロセスの改善をメインとした役割があるのであれば、そちらの仕事の方が能力を発揮できるかも。
強みを活かすのであれば「業務改善」系の仕事は適職になるかもしれませんね。
人と関わるのがめんどくさいなら「在宅ワーク」「在宅勤務」系もアリ
何に対してめんどくさがりやすいのか?は人によって違うと思いますが、それが職場の人間関係に対してであれば「在宅ワーク」「在宅勤務」系の仕事と相性がいいかも。
多少のコミュニケーションは発生するとしても、一般的な会社での勤務に比べれば圧倒的に人との関わりが少ないですし、意外と仕事の種類も数多くあります。
在宅ワークで言えば、以下のような仕事があります。
- 文章を書くのが得意な人なら…
「Webライター」 - イラスト書くのが得意なら…
「イラスト制作」 - 動画編集ができるなら…
「動画編集の受注」 - Excel等の作業が得意なら…
「Excel作業の受注」
などなど、意外と在宅でできる仕事って多いんですよね。
最近ではテレワーク・在宅勤務の求人も多々ありますし、このあたりも全然アリだと思います。
ただ、可能なら今の職場の人間関係を改善していきたいところ…。
「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」 名著「嫌われる勇気」の著者として知られる心理学者のアルフレッド・アドラー博士は、人間関係の悩みがそれほど人間にとっては根深い問題であると語っています。 特に「職場の人間関係」は同僚として長時間一緒[…]
飽き性&めんどくさがりなら「自分の興味が持てるもの」で仕事を探す
飽き性&めんどくさがりの人が、退屈で単調な仕事をコツコツ続けなくちゃいけない職に就いているとしたら、もう完全に相性のミスマッチだと思います。
こういう場合は、給料や休日といった条件ではなく「興味がある分野」で仕事を探してみるのも1つの手。
ゲームが好きならゲーム関連の分野で仕事を探してみるとか、ファッションが好きなら服飾関係の仕事を探してみるとか。
飽き性&めんどくさがりの人は特に、興味が持てる分野の仕事じゃないと精神的にかなりキツいんじゃないでしょうか…。僕もそうでしたけど…。
転職活動ってハッキリ言って超めんどくさいです。 情報収集やら書類作成やら準備も大変ですし、会社選びでミスると人生自体が傾いてしまう恐れもあります。 あと単純に転職活動って一般的に3ヶ月~半年くらいかかると言われてまして、そこそこ長期戦なんで[…]
【まとめ】めんどくさがりを仕事でうまく活用すればもっと生産性を上げられるかも
仕事や職業は適材適所。めんどくさがりも使い方と仕事次第では大きな強みになります。
うまく活用できればもっと生産性を上げられるかも。
ぜひ「もっと仕事をラクにできないか?」という改善思考を持って効率化の能力をガンガン使っていきましょー。
仕事や恋愛、家族など色んな人間関係において「この人はほんとにもう!」って言いたくなる「面倒くさがり」の人。周りにいて困っていませんか? 面倒くさがりの人に対して、どう接すればいいのか悩みどころですよね…。 そこで今回は、「面倒くさがりの取扱[…]
参考文献
- 本田直之.”プロローグ あなたがいつも忙しい理由”.『レバレッジ時間術』.幻冬舎新書, 2007, p.24-p.26.