朝、耳元で目覚ましが鳴る。ぼやけた視界が徐々に開け、頭のモヤが晴れてくる。朝だ、と気づく。
と同時に、いつものように憂鬱な気分に襲われる。平日の朝はいつもこうだ。仕事に行きたくない、めんどくさいと感じる。重い体をなんとかベッドから起こし、朝の身支度を始める。
家を出て、いつものように会社に出勤する。この時間帯、駅のホームは人であふれている。この通勤時間は気が重い。今から仕事だと思うと、心が真っ暗になる。
「仕事に行きたくない、正直めんどくさい。どうすればいいんだろう…?」
もしあなたもこういった経験があるなら、きっと今回の内容は役立つと思います。
今回は、仕事がめんどくさい、行きたくない7つの理由と6つの対処法をまとめました。
また、転職も視野に入れている人のために、仕事を辞めるか辞めないかの判断基準、転職する前に知っておきたい転職戦略もご紹介します。
・「仕事がめんどくさい、行きたくない」状態から抜け出す対処法がわかる
・仕事を辞めるか辞めないかの判断基準がわかる
・転職をする前に知っておきたい転職戦略がわかる
<この記事は約7分で読める!>
第1章:仕事がめんどくさいのはなぜ?その理由
まずは「仕事がめんどくさい、会社に行きたくない」と感じる7つの理由を挙げます。
どれが自分に当てはまっているかをぜひチェックしてみてください。
人によっては複数の原因がある場合も…。
理由①:仕事が退屈でつまらないからめんどくさい
今の仕事自体が退屈でつまらないし、やりがいを感じない。こういう状態だとどうしてもやる気が起きず、仕事がめんどくさい…となりがちです。
仕事は1日8時間近く取り組むものなので、それが退屈でつまらないともう苦痛で仕方ないですよね…。
仕事に対して退屈感やつまらなさを感じていますか?ぜひ普段の仕事を振り返ってみてください。
いつ頃から退屈だと感じ始めたか?
なぜ退屈なのか?
具体的に何の作業のとき退屈だと感じやすいのか?
こういったところまで掘り下げて考えてみると、より退屈感を感じる原因が見えてくると思います。
理由②:何のために働いているのか?仕事の意義をあまり感じない
「俺って何のために働いてるんだ…?」
そうぼんやり感じているなら、仕事の意義や自分の仕事の価値を見失っていて、それが仕事がめんどくさい原因になっている可能性があります。
仕事をする理由は、生活するため、家族を養うためなど色々あると思います。ここで言う「仕事の意義」というのは、もっと自分の内面の深い部分に関わってくるものです。
給料が安くて年収があまり高くなくても、その仕事の「意義」をモチベーションに働くことができるかどうかが重要です。
仕事に対する目的意識や意味がある人は、普通の従業員とどう違うのか。それを示した良い例があります。
982名の動物園の飼育員(80%が大卒、平均年収2万5千ドル=日本円で270万円)を対象に行われた研究によると、自分の職業を転職だと思っている飼育員の方が、時間外手当のつかない場合や勤務時間の終了後でも自ら進んで動物の世話をしたそう1。
しかも彼らは、自分は世の中に役立つ仕事をしている、自分が担当する動物たちのことはできる限りよく面倒をみる義務があると感じて仕事に取り組んでいたそうです。
つまり、年収の高低に関係なく「仕事の意義」を感じていれば、それが仕事への強いモチベーションになるわけです。
仕事の意義をあまり感じない=仕事自体へのモチベーション低いと考えられるので、この点も1つ注意ですね。
理由③:自分の今の能力よりも仕事の難易度が高い
自分の今の能力以上に、与えられている仕事、やらないといけない仕事の難易度が高いと仕事がめんどくさいと感じやすくなります。
みんな大好きポケモンだって、10レベルのピカチュウ1体でポケモンリーグをクリアしなきゃいけないゲームだったら一気にクソゲーと化します。
これと同じく、自分の能力レベルよりも高い難易度の仕事をやらなきゃいけないとなると、途端にモチベーションが下がってしまうんですよね。
実際、難易度が難しすぎると集中力が下がりやる気もなくすって研究結果もあるよう2なので、この点も要注意です。
周囲に助けを求めるか、仕事のやり方を工夫して対処していきたいところ。
理由④:めんどくさい仕事ばかり上司や先輩から押し付けられる
どうでもいい雑務やめんどくさい作業ばかり上司や先輩から押し付けられるって場合も、仕事がめんどくさいと感じやすいパターンの1つ。
特に新入社員など「新人」に多いと思います。
そのせいで自分が本来進めたい仕事がなかなか進まず、停滞感を感じると余計嫌になってくるんですよね。
実際僕もこういう経験があります。新人だから仕方ないと思っていましたが、雑用とかって成長とか前進しているって実感を感じにくいのがけっこう辛い…。
どうしても負担が大きい場合は周囲の頼れる人に相談するか、うまく仕事のやり方を工夫して対処していきたいですね。
理由⑤:残業や休日出勤などのオーバーワークで心身が疲れ切っている
度重なる残業や休日出勤などのオーバーワークによって、心身が疲れている場合も、仕事がめんどくさい・会社に行きたくないと感じる原因になります。
通常の業務時間以上に働いていますか?最近オーバーワークだと感じますか?
もしイエスなら注意です。
オーバーワークになると必然的に業務時間が長くなり、仕事→帰ってきて寝るだけ→仕事→帰ってきて寝るだけ、っていう単調でキツい生活になりやすいのでジワジワと絶望感が襲ってきます…。
オーバーワークは寿命や幸福度にも悪影響を与えるって話もありますから、慢性化している場合はなんとか状況を改善したいところです。
理由⑥:努力や仕事の成果を正当に評価してもらえないと感じている
がんばって仕事に取り組んでも努力して成果を出しても周囲から認められない。人より多くの仕事をこなしているのに、一向に給料もボーナスも増えない。
「なんであの無能な上司の方が給料もボーナスも良いんだ?自分の方が仕事してるのに納得できない!」
自分の努力や仕事の成果を正当に評価してもらえないと感じる場合も、仕事のモチベーションが下がります。そりゃそうですよね。
今の仕事に対して、こういった不満を抱えていないでしょうか?ぜひ振り返ってチェックしてみてください。
理由⑦:職場の人間関係が辛い、ストレス
仕事自体の問題と並んで多いのが、職場の人間関係の問題です。これも会社に行きたくなくなる大きな原因です。
サラリーマンとして働くなら、避けては通れないのが職場の人間関係。良好な人間関係を築ければ仕事がしやすくなりますが、そう簡単にはいかないんですよね。
上司・先輩・部下・取引先など様々な人間関係が求められ、色んなタイプの人と付き合っていかないといけない。しかも毎日のように。
毎日顔を合わせる職場の人たちの関係がうまくいかないと、やっぱり大きなストレスになります。
内閣府が発表しているデータによれば、初職の退職理由の上位に「人間関係がよくなかったため」が入っています3。
それだけ職場での人間関係が仕事のモチベーションを左右するので、この点も「仕事がめんどくさい、会社に行きたくない…」と生む大きな理由になりますね…。
第2章:仕事がめんどくさい状態から抜け出す6つの対処法
ここからは具体的にどうやって「仕事がめんどくさい、行きたくない」状態から抜け出すのか?その対処法を解説していきますね。
対処法としては6つありますが、大きく分けると「仕事に対する考え方を変えて工夫してモチベーションを取り戻す」と「仕事環境を変える」の2パターンが有効だと思います。
対処法①:仕事をする目的や仕事の意義を見直す
この方法は、
・理由①:仕事が退屈でつまらない
・理由②:何のために働いているのか?仕事の意義をあまり感じない
・理由④:めんどくさい仕事ばかり上司や先輩から押し付けられる
・理由⑥:努力や仕事の成果を正当に評価してもらえないと感じている
あたりに有効です。
仕事のモチベーションとして重要なのは、実は収入の高低よりも「仕事自体に対する意義」。すでにお話しした通り、これを自分の中に持っているかどうかで仕事に対する考え方・意識が全く変わってきます。
問題は、どうやって「仕事の意義」を見いだすか?ですが、その方法としておすすめなのが以下の2つです。
- ジョブ・クラフティング
- ロールモデル
この2つの方法は、アメリカの教育界で注目されている「GRIT(やり抜く力)」研究の第一人者であるアンジェラ・ダックワース教授が、著書『やり抜く力 GRIT』の中で仕事に意義を見いだすための方法として紹介しているものです。
まず「ジョブ・クラフティング」とは、ざっくり言えば「今の仕事にやりがいを見いだすために、自分の興味・強み・価値観などに合うように仕事を変えよう」って考え方です。
実際、このジョブ・クラフティングを行って今の仕事に意義や面白さを見いだした従業員は、仕事に対する満足感と仕事の効率が著しく向上したって例もあるそう4。
ジョブ・クラフティングのやり方は、とてもシンプルです。
まずは、毎日の退屈な仕事にどうしたらやりがいを感じられるか?どう変えれば退屈な仕事でもやりがいを感じる仕事にすることができるか?を考えます。
そして良いアイデアが浮かんだら、そのアイデアを実行する。方法としては凄くシンプルです。
ただ、どう変えればやりがいのある仕事にできるのか?っていうアイデアを出すのはなかなか難しいところ。
なので、1つ事例をご紹介しておきます。
これは「奇跡の7分間」と呼ばれて海外から賞賛された、JR東日本の子会社・鉄道整備会社(通称・テッセイ)の取り組み5です。
テッセイの新幹線清掃員は、自らの仕事を「清掃の仕事」と捉えるのではなく、「お客様をおもてなしする仕事」だと捉え直すことで、仕事への取り組みを大きく変えることに成功しました。
「新幹線は旅をする人たちが行き交う劇場で、自分たちはお客様のおもてなしをするキャストである」
そう自らの仕事への考え方を変えた結果、自分たちをただの清掃員ではなく「おもてなしのプロ」だと意識するようになり、自分の仕事に誇りを持てるようになったそうです。
この事例で分かるのは、どんな仕事であっても仕事に対する考え方を変えれば、全く仕事の意義が変わってくるということです。
ジョブ・クラフティングで今の仕事に対する見方・考え方を工夫すれば、お金だけじゃない仕事の意義が見つかるかもしれません。1つおすすめの方法です。
もう1つ、「ロールモデル」は、「目的を持った生き方の手本となる人物(ロールモデル)からヒントをもらおう」って方法です。
例えば、職場の尊敬する先輩、歴史上の偉人、現代の有名人など、お金以外の目的で仕事をしている人なら誰でもOKです。
そういう人たちに直接会って話をするか、本や映像を通して彼らの考え方に触れてみましょう。自分が仕事に意義を見いだす良いヒントが得られると思います。
ジョブ・クラフティング&ロールモデルは、仕事の意義を見いだす方法として有効な方法です。
新幹線の清掃員の事例のように、今の仕事を違った角度から捉え直すことで、今までとは違う仕事の面白さが見つかるかもしれません。
対処法②:仕事に「遊び」の要素を取り入れる
この方法は、
・理由①:仕事が退屈でつまらない
・理由③:自分の今の能力よりも仕事の難易度が高い
・理由④:めんどくさい仕事ばかり上司や先輩から押し付けられる
あたりに有効です。
仕事=お金のために仕方なくやること、という認識を、仕事=自分の能力を発揮して腕試しをするゲームだって認識に変える方法です。
もちろん仕事をゲームと同じように考えるのは難しいですが、ゲームの要素を取り入れることで退屈さを軽減し、難易度の高い仕事にもチャレンジしやすくすることはできます。
遊びの要素を取り入れるポイントとして重要なのは、「フロー体験」です。
「フロー体験」とは、アメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイ博士が提唱している概念。「目の前の活動に完全に没入し、自己認識や時間感覚が低下し、自然と高いパフォーマンスを発揮する状態」をフローと定義しています。
スポーツの世界ではゾーンとか言われる究極の集中状態ですね。テニスの王子様を知ってる人だったら「無我の境地」とかの方が分かりやすいかも。
「何かに熱中していたらあっという間に1時間が過ぎてた」って経験ありませんか?それがフローです。
このフローって、「うわー今すっごい熱中してたなー」って感じると充実感みたいな気持ち良さを感じるんですよね。
それにフローに入ると僕らは目の前の仕事を進めることだけに意識が完全に集中するため、「仕事がめんどくさい」なんて気持ちが頭の中から消え去ります。
仕事でもこのフロー体験が実現できれば、フローによって熱中する感覚がクセになり、仕事が一段と面白く感じるようになるわけです。
このフローに意図的に入るためには「仕事のルール化」と「フィードバック(結果の反映)」が重要だと言われています。
「仕事のルール化」とは、仕事をどうやって進めるのか?のルールを決めようって方法。
僕の場合は「53分作業+6分休憩」という仕事のルールを決めています。このルールによって仕事のリズムが生まれます。
経験談にはなりますが、この53分に集中しようって意識が働くと、この53分間にやる作業に意識が集中しやすくなるのでフローにも入りやすいと感じます。
そして、「仕事のルール化」とコンボにして使いたいのが「フィードバック(結果の反映)」です。
その53分で何の作業がどれくらい進んだか?うまく作業が進んだのはなぜか?うまく作業が進まなかったとしたらそれはなぜか?次の53分で何の仕事をするか?次の53分をより良くするために何をするか?
僕は53分+6分の1セットが終わったら、こういった記録を付けて、次のセットはもっとうまく作業しようって方向で仕事を進めています。
以下のシートに記録を付けながら作業すると、かなり作業への集中力が高まるのでおすすめ。
こういった方法を使って、作業の内容を自分なりに評価して改善していこうって方向で仕事を進めていくと、仕事自体が一気に面白くなってきます。
次はもっと早くやろう、次はもっとうまくやろう。そうやって工夫して実際に早くできたりうまくできたりすると、それが良い達成感に繋がってまたどんどん仕事が面白くなってくるんです。
仕事=めんどくさいもの、ではなく仕事=自分の能力が試せる場所だと捉え直すと、今までとは違った仕事の面白さが見えてくるのでおすすめです。
対処法③:やるべき仕事を細かく分解してめんどくさいを減らす
・理由③:自分の今の能力よりも仕事の難易度が高い
に有効な方法です。
やるべき仕事を細かく分解して抵抗感を減らすってテクニックは、仕事術では定番の方法ですね。スモールステップとかベイビーステップって言われています。
仕事を大きな塊として捉えてしまうと、脳は「大変そうだな、凄くエネルギーがいりそう。めんどくさいな」と感じてひるんでしまいます。
これが仕事への抵抗感に繋がってくるので、小さく分解して細切れにして「これならできそうだ」と思えるように抵抗感を減らす工夫が必要なんですね。
やり方は簡単です。
まずは仕事のステップを書き出してみましょう。仕事の全体像をまず把握できたら、あとはそれを細かく分解していくだけ。
例えば、「リンゴを食べる」を目標にして考えてみますね。
普通は、「リンゴを買う」→「リンゴを剥く」→「リンゴを食べる」というステップになると思いますが、これをさらに細分化します。
「近所のスーパーで1番安いリンゴを買ってくる」
↓
「包丁を取り出す」
↓
「リンゴを回転させながら少しずつ皮をむく」
↓
「リンゴを食べやすい形に切り分ける」
↓
「リンゴの種をとる」
↓
「爪楊枝を1本取り出す」
↓
「切り分けたリンゴの1つに爪楊枝を刺して口に運ぶ」
こんな感じですかね。
行動のステップを細かく具体的にするのがポイントです。こうすることで仕事の抵抗感が減って、取り組みやすくなります。
特に、特定の作業やタスクに対して「めんどくさいなぁ…」と感じやすい場合にこの方法が有効ですね。
対処法④:心身の調子を整える
こちらは、
・理由⑤:残業や休日出勤などのオーバーワークで心身が疲れ切っている
・理由⑦:職場の人間関係が辛い、ストレス
におすすめの対処法です。
過度なストレスや疲労、睡眠不足、栄養不足、運動不足などは、メンタルを悪化させたり脳の働きを低下させる原因になります。
その結果、「仕事がめんどくさい、行きたくない」に繋がっている可能性があります。
また、心身の調子が悪い状態だと、人間関係にも支障が出やすくなったり仕事の生産性が下がったりと、さらなる悪循環に陥る恐れもあります。
日々の忙しさのせいで軽視しがちですが、心身の調子を整えることも立派な仕事の1つです。
とはいえ、心身の調子の良し悪しは複雑で、どれか1つを改善すればまるっと解決!とはいかないので、生活習慣全般をバランスよく見直していくアプローチが必要になります。
以下の本で心身の調子を整えるために必要な知識が手に入るので、ぜひ参考にしてみてください。
対処法⑤:人間関係を改善する
職場の人間関係を改善できれば、理由⑦の人間関係がうまくいかないって問題も軽減できるはずです。
ただし、人間関係の問題は単純には解決できません。1歩ずつ少しずつ取り組むしかありません。
職場の人間関係を改善するためどんなことをすればいいのか?については別記事にて解説していますのでこちら↓をチェックしてみてください。
「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」 名著「嫌われる勇気」の著者として知られる心理学者のアルフレッド・アドラー博士は、人間関係の悩みがそれほど人間にとっては根深い問題であると語っています。 特に「職場の人間関係」は同僚として長時間一緒[…]
対処法⑥:配置換えを願い出るか転職をして環境を変える
配置換えを願い出る、もしくは転職をして環境を変える。結局のところ、これが1番手っ取り早く効果が大きい対処法だと思います。
一度転職サイト等をのぞいてみて、今の会社より良い会社がないか探してみるのもアリですね。
ただし、転職するのは最後の手段です。
第3章:仕事めんどくさい、もう辞めたいときにまず検討したいこと
仕事を辞めたいと感じたら、すぐに決断を下すのはストップして、まずは判断基準に照らし合わせて考えてみるのが大切です。
一刻も早く配置換えを願い出るか転職した方がいいケースもありますが、仕事の工夫次第で改善できるケースもあると思います。
すぐに決断せず、まずは以下の3つの判断基準から辞めるor辞めないを考えてみてください。
判断基準①:今悩んでいる問題は自分の工夫次第で改善できるものか?
「仕事がめんどくさい、もう辞めたい」と感じている原因が、先ほどご紹介した対処法を使って改善できそうな場合は、まずはできそうな工夫から試してみてください。
会社を辞めて転職すれば、それまで会社内で築いてきた人間関係や信頼、スキルがリセットされます。
身につけたスキルがそのまま使える転職先であれば問題ありませんが、基本的にはまた仕事を覚えて人間関係を築くところからのスタートになります。
転職先が今の会社より良いとは限りませんし、「やっぱり前の会社の方が良かった…」と後悔するかもしれません。
なので転職は最後の手段にして慎重に今後を考えていくのが重要なんですね。
例えば、職場の労働環境が劣悪で人間関係も悪い場合は自力での改善は難しいと思います。ですが、「仕事が退屈でつまらない」という場合は、今回ご紹介した対処法を使って自力での改善は十分可能です。
まずは、今悩んでいる問題は自分の工夫次第で改善できるものか?を考えてみましょう。
判断基準②:今悩んでいる問題は周囲の誰かの助けがあれば解決できるか?
今悩んでいる問題を周囲の誰かに相談して、手を貸してもらえたら解決できるかどうか?もポイントです。
仕事量が明らかに多すぎるのであれば、上司に相談して他の人に回してもらうようにする。自分の能力よりも高い難易度の仕事を与えられて苦痛を感じているなら、上司や先輩に仕事の進め方をアドバイスしてもらう。
こんな感じで、周囲の誰かに相談してみて、誰かに協力してもらえれば解決できそうなら、助けを求めるのも1つ良い方法です。
今あなたが悩んでいる問題は、周囲の誰かの助けがあれば解決できそうですか?
判断基準③:今の職場で5年、10年働いた先に良い未来が待っていると思えるか?
このまま今の会社で働き続けるのが、自分の人生にとって本当に正しい道なんだろうか?これも凄く重要です。
人生100年時代や少子高齢化などが叫ばれる今の時代。僕らの職業人生は、今までよりもかなり長くなることが予想されます。
ここで一旦、自分の未来に目を向けてみて、このままで良いのかどうかを考えてみるのはとても大切なこと。ズルズルと時間だけが過ぎていき、何年も経ってから後悔するのは避けたいですからね…。
できれば、職場の信頼できる先輩や上司に相談して、職業人生・キャリアについてどう考えているのか聞いてみるのが良さげですね。
僕も転職の経験がありますが、正直言って当時は良い未来が待っていると1ミリも思えませんでした。
でも、ある先輩から「誰かに後ろ指を指されても、やりたいことをやった方がいい」と言われ、そのアドバイスが凄く心に残りました。今振り返ると、退職した決断は間違ってなかったと感じています。
今の職場で5年、10年働いた先に良い未来が待っていると思えるか?この判断基準に照らし合わせて考えてみてください。
第4章:仕事がめんどくさい人への転職戦略
先ほどの判断基準に照らし合わせて、「やっぱりもう会社辞めたい。転職しよう」と決心したら、まず転職活動の前に戦略を立てるのが大切です。
転職を無事に成功させるためには、実は重要なポイントがあります。
ただ単に給料やボーナス、休日、労働時間といった表面的な条件だけを見るのではなく、どういう会社でどんな仕事がしたいのか?その中身までしっかりを考えること。
もっと言えば、自分はどういう人生を目指して仕事をするか?といった、もっと根本的なところから見つめ直すこと。ここが実はキーポイントなんですね。
Google社の元人材開発マネージャーであるジェニー・ブレイクさんは、職業人生の方向転換を成功させるにあたって1番重要なのは、自らの核となる価値観や自分の強み、自分が何に興味を持っているかの理解、魅力的な未来像といった自分自身の土台であると語っています6。
要するに、自分自身の価値観や強みといった基盤を作った上で、自分はどこでどんな仕事をしたいのか?を明確にしようって話です。
この点は、ここまでお話ししてきた「仕事の意義」にも繋がる話ですね。
自分自身の基盤を作るメリットはもう1点あります。
自分はどういう価値観を持っている人間で、どういう強みがあり、何に興味を持っているのか。どういう理想像を描き、どんな仕事をしたのか。
これを明確にしておくと、転職活動を始めて面接をする際に自己PRがしやすくなります。
本当は給料とか勤務条件とかで選んだのに、取って付けたような「面接対策の自己PR」をしなくても、本音で自己PRできるんです。
この点でも、転職活動の前に戦略を立てるメリットは大きいですね。
これから転職しようと考えている方は、まず自分自身の土台を見つめ直し、「今より良い会社」を目指して戦略を立てるのがよろしいのではないかと思います。
転職活動ってハッキリ言って超めんどくさいです。 情報収集やら書類作成やら準備も大変ですし、会社選びでミスると人生自体が傾いてしまう恐れもあります。 あと単純に転職活動って一般的に3ヶ月~半年くらいかかると言われてまして、そこそこ長期戦なんで[…]
【まとめ】仕事がめんどくさい…は改善できる!まずはできることから
というわけで、「仕事がめんどくさい、会社に行きたくない」理由やその対処法をご紹介いたしました。
長々とお付き合いいただきありがとうございました(笑)
「仕事がめんどくさい、会社に行きたくない」と感じる理由はいくつかありますが、ちゃんと対処法はありますし、改善できる問題です。
対処法②:仕事に「遊び」の要素を取り入れる
対処法③:やるべき仕事を細かく分解して抵抗感を減らす
対処法④:心身の調子を整える
対処法⑤:人間関係を改善する
対処法⑥:配置換えを願い出る or 転職をして環境を変える
仕事がめんどくさい、人間関係がめんどくさい、行動するのがめんどくさい…。このめんどくさい気持ちはどうすればいいんだろう…。 今回は「めんどくさい」にお悩みの方に向けて、心理学や脳科学の知識に基づいためんどくさいを解消して行動力を上げる方法を[…]
参考文献
- Duckworth, Anglela.”第8章 「目的」を見出す”.『やり抜く力 GRIT』.神崎朗子(訳), ダイヤモンド社, 2016, p.210-p211.
- 鈴木祐.”第2章 報酬の予感~脳内ホルモンを操る目標設定の奥義~”.『ヤバい集中力』.SBクリエイティブ株式会社,2019, p.114-p119.
- 内閣府『特集 就労等に関する若者の意識』
- Duckworth, Anglela.”第8章 「目的」を見出す”.『やり抜く力 GRIT』.神崎朗子(訳), ダイヤモンド社, 2016, p.223-p224.
- MAG2NEWS『奇跡の7分間。新幹線の清掃員が世界中から賞賛される理由』
- Blake, Jenny.”STAGE1 プラント(基盤作り)”.『Google式4ステップ・キャリア戦略』.力丸祥子(訳), ダイレクト出版株式会社, 2018, p.52.