仕事がめんどくさい、人間関係がめんどくさい、行動するのがめんどくさい…。このめんどくさい気持ちはどうすればいいんだろう…。
今回は「めんどくさい」にお悩みの方に向けて、心理学や脳科学の知識に基づいためんどくさいを解消して行動力を上げる方法をご紹介します!
・めんどくさくなるパターンがわかる
・めんどくさいをなくす方法がわかる
<この記事は約9分で読める!>
第1章:「めんどくさい」の心理!実は脳の働きが原因かも?
「めんどくさい」には色んな種類のめんどくさいがありますが、実はどの「めんどくさい」にも共通点があります。
こういう状態のとき、「めんどくさい」という心理が働きやすくなります。
要するに、「うわ、これめちゃくちゃ大変そう…」と感じるとめんどくさくなっちゃうわけですね。
こういった「めんどくさい」の心理が働く原因は、「脳」にあります。
そもそも人間の脳は、重さ約1400gで体重の約2%ほどしかないにもかかわらず、1日に必要なエネルギーの約20%も消費する燃費の悪い臓器1と言われてます。
人間は進化の過程で少しずつ脳を大きくしてきました。現代人にまで進化が到達したのは、およそ数万年前と言われています。
その大昔の狩猟採集時代は、摂取できるカロリーが少なく消費カロリーが多いサバイバル時代です。
エネルギーの減少は死に直結するため、人間の操縦ハンドルを握る「脳」は本能的にエネルギーを温存させよう!という働きを持っています。お腹に脂肪が付くのも、エネルギーをストックして栄養が欠乏したらエネルギー源にするためです。
なので脳は、できるだけ消費エネルギーを節約するために僕らを省エネ行動へと誘導しようとします。
しかし、現代ではその本能のままめんどくさがってはいられないことも多いです。
第2章:めんどくさいが発生する特徴的なパターン
「あーめんどくさ…」と感じる背景には、そうした人間の脳や本能が深く関わっています。
逆に言えば、「めんどくさい」と感じるのは人間の基本的な機能なので、誰でもみんな一緒なんですね。
でもその一方で、めんどくさがらずに行動できることも意外と多いのではないでしょうか。
例えば、ゲームや映画鑑賞、ゴルフといった趣味。こういった趣味はむしろ楽しんで何時間でもできますよね。
めんどくさいと思っても毎日行動できることも色々あると思います。歯を磨くことや風呂に入ること、朝ベッドから起き上がることも毎日のようにできています。
めんどくさくて結局先送りしてしまう。めんどくさくても毎日行動する。めんどくさがらずにむしろ楽しんで行動する。
人間は本能的にエネルギーを節約したがるはずなのに、なぜこういった違いがあるんでしょうか。どうすれば先送りしたくなるような「めんどくさいこと」でも、きっちり実行できるのでしょうか。
その違いを明らかにして行動力を上げるためには、まず「どういうときにめんどくさくなるのか?」そのパターンを掴むことが第1歩です。
めんどくさくなるパターンは、大きく分けて2種類あります。
パターン①:心理的に大きな負荷を感じて「めんどくさい…」と脳がひるんでいる
1つ目のパターンは、心理的に大きな負荷を感じて「めんどくさい…」と脳がひるんじゃうパターンです。
ゲームで例えると、自分が10レベルなのに30レベルの敵に立ち向かわないといけないようなもの。そりゃあ難しいですよね。
このパターンでめんどくさいが発生しやすいのは、以下のようなケースのときです。
・あまり経験のない不慣れなことに取り組むとき
・不得意なことに取り組むとき
・手順がよく分からずスムーズに進められないとき
・予定や習慣、慣れた手順を少し変えないといけないとき
・複雑で難しいことや、大きな労力が必要な物事に取り組むとき
・めんどくさい人と関わらなくちゃいけないとき
などなど、こういう場合に「めんどくさい」と感じやすくなります。
人間は習慣の生き物ですから、慣れている物事や経験したことのある物事に関しては、比較的うまく進めることができます。
ただ、不慣れなことや未経験のこと、苦手なことに関しては、どうしても心理的な負荷がかかります。
パターン②:心身への何らかの負担があるせいで、目の前の物事を処理するための処理能力が低下している
2つ目のパターンは、心身への何らかの負担が原因で、目の前の物事を処理するための能力が低下しちゃっているパターン。
例えば、、、
・眠いとき、不機嫌なとき
・体調が悪いとき、疲れているとき
・空腹すぎるとき
・過度なストレスを感じているとき
・やりたくないこと、あまり価値を感じないことをやらなくちゃいけないとき
・嫌いな人、苦手な人と関わらなくちゃいけないとき
・気分が乗らない、退屈なとき
などなど、こういう原因があるとどうしても脳の働きは低下しちゃいます。
めんどくさい…と感じたら、この2つのパターンに当てはまっていないか自己診断
- 心理的に大きな負荷を感じて「めんどくさい…」と脳がひるんでいる
- 心身への何らかの負担があるせいで、目の前の物事を処理するための処理能力が低下している
「めんどくさい…」と感じたときは、まずこの2つのパターンに自分が当てはまっていないかチェックしてみましょう。
そして次に、この質問を自分に投げかけてみてください。
めんどくさいことがある度にこの質問を自分にするクセをつけると、自分がどういうときにめんどくさいと感じやすいのか?そのパターンが掴めてくるのでおすすめ。
「めんどくさい」を正体不明にしたまま放置すると、何が原因でめんどくさくなっているのかわからず、どう対処すればいいのかもわからないままです。
先送りしていた「めんどくさいこと」が積み重なって自分の手に負えなくなった結果、仕事で大きなミスをやらかしてしまったんですよね…。
メンタル病みました…。
めんどくさいと感じときは「今、何が原因でめんどくさいと感じているんだろう?」と自問するのが大切だと思います。これがすぐに対処する良いきっかけになりますからね。
少なくとも、僕みたいに最悪の結果になる手前で軌道修正できるはず…。
第3章:めんどくさいをなくす方法6選【行動力アップ】
さて、めんどくさいの心理やめんどくさいが発生するパターン踏まえた上で、行動力を上げる具体的な方法を見ていきましょう。
すでに習慣として脳にクセ付いている「めんどくさい」を直して行動力のある人になるためには、行動したくなるような新しいパターンを脳に与える必要があります。
そこでおすすめなのが以下の6つの方法です。
- まずはしっかり休んで疲れと睡眠不足を解消しよう
- 「なぜ?何のために?」を意識してやる気と行動力を上げる
- 行動スタンプカードで道筋と進捗を見える化する
- スモールステップで行動の難易度を低くする
- 人間の基本的欲求を利用して行動力を上げる
- パターンを変える
方法1:まずはしっかり休んで疲れと睡眠不足を解消しよう
まず1番手近なところですぐできるのがこちらです。まずは休もうって話ですね。
めんどくさいを生み出す大きな原因の1つは、心身への何らかの負担があるせいで目の前の物事を処理するための処理能力が低下している、でした。
実際、心身の疲労や睡眠不足は、脳の働きを低下させてしまいます。
例えば、睡眠不足になるとなんとなく頭がうまく働かなくなる、という経験は誰でも一度はあると思います。これは本当にその通りです。
睡眠不足で脳が低覚醒状態だと、脳内の情報伝達効率が低下し、素早く正確な情報の受け渡しがしにくくなることが分かっています2。
集中力や判断能力、意欲などにも悪影響が出るため、そのせいでめんどくさいが発生しているケースもあります。
これは睡眠不足に限らず、疲労や過度なストレスなどにも言えることですね。
僕らはついつい「休むこと」をおろそかにしがちですが、人間の体はちゃんと休むからこそ効率良く働くようにできています。
積極的に休む、という意識を自分の中で持っておきたいですね。
積極的に休む方法としては、以下の方法を参考にどうぞ。
・最低でも6時間は睡眠をとる、できれば7~8時間くらいは睡眠時間を確保したい
・スキマ時間に目を閉じて休む
・昼寝する
・休憩時間はできるだけスマホを触らない
・歩く時間を増やして運動不足を解消する
・健康的な食事を心がけて体調を整える
・好きな趣味に没頭する
・ストレス要因から距離を置く(心理的にも)
基本的には、しっかり休んで体に良いものを食べて定期的に運動しましょう、っていう当たり前のことがやっぱり1番ですね。
当たり前なんですけど、どうしても日々の忙しさに追われてなかなかできない。でもこの基本が人間の心身を支えています。
でも、しばらく休養期間を設けたら心身が回復しました。
方法2:「なぜ?何のために?」を意識してやる気と行動力を上げる
楽しいゲームをやるのと、退屈な書類のコピー。どちらの方が「やりたい!」と思えるでしょうか?
おそらく、ほとんどの人が楽しいゲームでしょう。
人間は、その行動が自分にとって意味があることであれば、「やりたい!」というやる気が簡単に上がります。そしてすぐ行動できます。
一方で、特に意味を感じられない作業や、やりがいのない仕事、退屈なことに関しては、動く理由が見当たらないので「めんどくさい…」に流されがち。
なので、「なぜその行動をするのか?その行動は何のためにやるのか?その行動は自分にとってどんな意味があるのか?」こういった考え方をして、動く理由を見つけることが大切なんです。
この動く理由は人それぞれですが、参考までに以下のポイントを押さえると自分の動く理由が見つかりやすくなります。
・その行動は、自分にとってどんなメリットがあるか?
(例)書類のコピーみたいな退屈な作業でもコツコツやれば、上司や同僚からの評価が上がるかもしれない!
・その行動は、自分の大切な人にとってメリットになるだろうか?
(例)地道な作業でもコツコツ続けていれば、会社からの評価が上がって給料も上がるかも。そしたら家族も喜んでくれるかもしれない!
・その行動は、誰かの役に立つだろうか?
(例)これであの美人上司のお役に立てるかもしれない!
こういったポイントをもとに「動きたくなる理由」を考えてみましょう。
方法3:行動スタンプカードで道筋と進捗を見える化する
よくお店でもスタンプカードとかありますよね。来店したら1個スタンプが増えて、10個貯まったら一品無料になるとか。
これを応用して、行動のポイントカードを作るといい感じです。
例えば、こういう感じですかね。
こんな感じで行動できたらスタンプを押すような仕組みがあると、動くのが楽しくなるのでおすすめ!
もちろんデジタルでやらなくても、簡単に紙とペンでもOKです。
ポイントは、スタートとゴールを決めて道筋を作ること。上記のリンゴの例のように、行動のステップを1個ずつ細分化して、1つそれができたらスタンプを押す。こういう仕組みが作れるといい感じですね。
このスタンプカードシステムができると、まずめんどくさいことを細分化でき、難易度も低くできます。
めんどくさいことのハードルを下げられるので、行動しやすくなるんです。
また、行動の進捗もパッと見ですぐわかりますし、「できた!」っていう達成感を感じやすいのも大きなメリットですね。
習慣的に続けたい行動のやる気を高める場合は、カレンダーにシールを貼っていくのも1つおすすめ。
1ヶ月経ってシールがびっしり貼ってあると「今月がんばったなぁ~!」ってテンション上がるんですよね(笑)
ちなみに、ちゃんとゴールができたらご褒美を自分にあげるのもおすすめのやり方ですね。
10個スタンプが貯まったらプチ旅行に行くとか、ちょっと高い肉を食べるとか。目標を阻害するようなご褒美でなければなんでもOKです。
方法4:スモールステップで行動の難易度を低くする
「スモールステップ」は、小さく細かいステップで行動する方法です。
方法3の項目でもお話ししましたが、めんどくさい行動でも小さく細分化すると意外と簡単にクリアできることがあります。
例えば、「6ヶ月で10kg痩せるという目標を立てたのはいいけど、ダイエットするのはめんどくさいしキツイ」。そう感じているとしますね。
これにスモールステップを導入するとしたら、夕食のご飯の量を3分の1だけ減らすとか、まずは3分だけウォーキングをするとか、このあたりが良さげかと。
とにかく行動の難易度をガクッと落として、めんどくさくても確実に実行できるようにして行動しやすくするのがポイントですね。
個人的にもかなり効果を感じる方法の1つです。
小さく細切れにした方が、その分行動したり考えたりする労力も小さくて済みます。
お相撲さんの握りこぶしくらいあるハンバーグを一口で食べるのは難しいですが、細かく切ってしまえば食べるのは簡単ですよね。
これと同じで、自分が簡単にできると感じるくらいまで労力を小さくすれば、めんどくさくなくなって行動しやすくなります。
方法5:人間の基本的欲求を利用して行動力を上げる
人間には様々な欲求があります。
承認欲求、金銭欲、性欲、恐怖、怒り、不安、危機感など、色んな欲求が人間にエネルギーを与えて行動を促しています。
これが悪く働くケースもあれば、僕らを良い方向に後押ししてくれるケースもありますよね。
この欲求をうまく利用すれば、めんどくさいを乗り越える行動力をゲットできます。
まず人間には、「○○を得たい」という獲得の欲求と「○○は絶対に避けたい、失いたくない」という損失回避の欲求の2つの基本的欲求があります。
「誰かに認められたい」「お金が欲しい」「可愛い彼女が欲しい」とかは分かりやすく獲得の欲求ですね。
それを得て気持ち良くなりたい。そういう欲求は、獲得の欲求のカテゴリーです。
もう1つ、損失回避の欲求は、恐怖や不安、危機感といったマイナスの感情がカテゴリーに入ります。
これは「失いたくない、損したくない、痛みを避けたい」というモチベーションによって行動が促される欲求です。
この獲得の欲求と損失回避の欲求をうまく行動と結びつけて考えていくと、やる気を上げて行動力を上げることができます。
例えば、筋トレするのがめんどくさいとしますね。
でも筋トレするのがめんどくさいという気持ちを乗り越えれば、、、
・筋トレすることでバッキバキのカッコいい体が手に入る!
・男らしい体を女の子にアピールできる!
・強く男らしい体を手に入れることで自分に自信が付く!
・筋トレをしないとずっとプヨプヨした体のまま…って現状から脱却できる
・自分に自信が持てず、女の子にアプローチできないまま年齢だけ重ねて…という未来を避けられる
などなど、何かを得る動機、何かを避けたい・失いたくない動機をベースにして考えていくと、めんどくさいをなくす強いモチベーションが得られます。
めんどくさいが襲ってきても「いや、ここで踏ん張らなければ自分が望む未来を実現できない。不満を抱えた状態から何も変えられないなんて絶対にイヤだ!」と思えれば、かなり乗り越えやすいと思います。
方法6:パターンを変える
「自分はめんどくさがり屋だから行動力が低いんだ…」って僕もよくなりがちなんですが、実はその原因は「その人」に問題があるのではなく、「その人が置かれた状況や環境」に問題があることも多いんですね。
要するに、本来はめんどくさがり屋じゃないのに、その人の状況や環境がその人をめんどくさがり屋にしてしまっているって話です。
それが悪い意味で習慣になりパターン化してしまっているせいで、自分でも自分をめんどくさがり屋だと信じ込んでしまうって現象ですね。
もし、いつも同じ場所・いつも同じ状況でめんどくさいが発生するのであれば、そのパターンをガラッと変えるのも1つ良い方法だと思います。
例えば、自宅で勉強するのが難しいのであれば、ちょっと可愛い店員さんがいるカフェで勉強するようにするとか。
・行きたくなるような場所を設定する
・行動する時間を自分が1番元気な時間帯に変える
・誰かと一緒に行動する
などがおすすめですね。
新しいパターンを自分に上書きするイメージですね。
【まとめ】めんどくさいをなくす方法で面倒くさがる心理を退治
めんどくさいの心理から、めんどくさいをなくす方法までお話しさせていただきましたー。
最後にサクッと簡単にまとめておきますね。
②心身への何らかの負担があるせいで、目の前の物事を処理するための処理能力が低下している
②「なぜ?何のために?」を意識してやる気と行動力を上げる
③行動スタンプカードで道筋と進捗を見える化する
④スモールステップで行動の難易度を低くする
⑤人間の基本的欲求を利用して行動力を上げる
⑥パターンを変える
以上ですかね!
「めんどくさい」は放置してしまうと余計めんどくさいが大きくなることもあり、ストレスで心が疲れる厄介な問題です。
今回お話したことをうまく生活に取り入れていけば、きっと心がラクになると思います。
なので一緒に対策がんばっていきましょうか(笑)
参考文献
- 菅原道仁.”第1章 脳のしわざに注意を払う”.『「めんどくさい」がなくなる100の科学的な方法』.大和書房,2017, p.18.
- 菅原道仁.”第6章 リフレッシュを最大化する”.『「めんどくさい」がなくなる100の科学的な方法』.大和書房,2017, p.214-p.215.