とにかく何もかもがめんどくさくて、仕事も人間関係も恋愛もすべてが面倒。
料理も掃除も洗濯も、日常生活のあらゆることが面倒で何もやる気が起きない…。
変わりたいし変えたいと思っていてもそれすらめんどくさいと感じてしまって結局なかなか動けない。
こういった極度のめんどくさがり状態だと、さらに色んなことがめんどくさくなり、人生すらもめんどくさくなっていく負のスパイラルに陥る怖さがあります。
二度と味わいたくない気分ですねアレは…。
極度のめんどくさがりは何らかの病気の可能性もありますが、自分でケアすることで「めんどくさがり」を少しずつ直していくことはできます。
なので今回は「極度のめんどくさがり」を直すための8つの克服法をご紹介しますね。
・「極度のめんどくさがり」を直すための8つの克服法が手に入る
<この記事は約5分で読める!>
第1章:極度のめんどくさがりは病気?
極度のめんどくさがりは、もしかしたら心身の病気が原因になっている可能性があります。
極度のめんどくさがりはこんな病気が考えられるかも
うつ病、パーソナリティ障害、セルフネグレクト、不安神経症、対人恐怖症、社交不安障害などの精神的な病気がまずその原因として考えられます。
ストレス、過労、生活習慣の乱れなどが深刻である場合、こういった精神的な病気につながってしまう恐れがあります。
心の病気は、専門的な診断を受けないとなかなか特定しにくく、「甘えているだけなんだ」「自分のメンタルが弱いのが悪いんだ」と自分を責める考え方をしてしまいがち。
自分を責めたまま放置し続けると、さらに悪化してしまう場合も…。
心の病気は誰にでも起こり得るものであり、自分が悪いと責める必要はまったくありません。
特に現代は、何かと心を病みやすい時代と言えるでしょう。
例えば、不安障害を患う人の数は全世界で13人に1人、日本でも不安障害の患者数は約157万人にも膨れ上がり、1996年と比べて15年の間に約2倍も増えていると言われています1。
他の精神的な病気の患者数も含めれば、心の病気は誰がなってもおかしくない病気だと言えます。
極度のめんどくさがりって状態も、もしかしたらこういった心の病気が原因になっている可能性があります。
「病気かも…」と不安な場合は専門機関へ
「何かの病気かもしれない…」と不安で自分ではどうにもできないと感じたら、できるだけ早く専門機関へ相談してください。
病気であるなら医師の診断を受けて治療する必要があります。
精神科やカウンセリングは少し抵抗がある…と感じるのであれば、とりあえず電話相談だけしてみるという方法もアリです。
例えば、厚生労働省の公式ホームページでは、電話相談を受け付けている専門機関を数多くまとめてリストアップしています。
もし「もう何もかもめんどくさい、生きるのも面倒…」という状態なら、ひとまず以下の記事をご一読くださいませ。
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第2章:極度のめんどくさがりを直す!8つの克服法
自分で「極度のめんどくさがり」を直したいという場合は、この8つの克服法がおすすめ。
僕もかなりのめんどくさがりですが、この方法のおかげで行動力も意欲も上がったと実感してますね。
克服法①:徹底的にリラックスを積み重ねる
極度のめんどくさがり状態なのは、もしかしたら疲れ過ぎているのが原因かもしれません。
仕事や人間関係のストレス、日々の忙しさによる過労などが原因で無気力や意欲の低下を引き起こしているのであれば、まずは心身を休ませてあげるのが第一です。
それに加えて、リラックスを積み重ねていくこともおすすめ。ストレスが溜まるのであれば、逆にリラックスも貯められると思います。
- 睡眠時間を増やす
- 日中に休憩する回数か時間を増やす
- 深呼吸をする
- 自然に触れる
- 瞑想やマインドフルネスを実践する
- ウォーキングをして運動不足を解消する
- 健康的な食事をする
- 15分前後昼寝する
このあたりは科学的に効果があると言われているリラックス法なので、取り入れてみて損はないかと!
他にも映画やドラマ・アニメを見たり、好きな音楽を聴いたり、ゲームをしたりとか、ヨガ、アロマテラピー、入浴、旅行、スポーツなどなど、人によって様々なリラックス方法があると思います。
こういったリラックスの機会を増やせば、それだけ心身の回復にプラスになるはずです。
僕はどん底の心理状態から回復できたのも、このリラックスの機会を増やしたからです。
克服法②:基本的な生活習慣を整える
人間の基本的な活動を支えているのは「食う・寝る・動く」の3つの柱です。
あまりに当たり前すぎて意外と見落としがちなんですが、「食う・寝る・動く」が乱れることによる心身への影響は大きく、心身の病気もこの生活習慣が乱れが原因としてよく挙げられますしね。
栄養バランスの乱れ、睡眠時間の不足、不規則な睡眠、運動不足。こういった生活習慣の乱れは体の不調にもつながり、心の不調にもつながります。
なので基本的な生活習慣から整えていくと、少しずつ心身の調子も戻ってくるかもしれません。
生活習慣の整え方自体は、すごくシンプルです。
- 体に悪そうな食品を避ける
- 体に良さそうな食品を食べる
- 7時間は睡眠時間を確保する
- 夜ふかしせずに早く寝る
- 日頃から動く量を増やす
- 定期的に有酸素運動をする
どれも当たり前のことですが、当たり前だからこそ、この生活習慣が崩れると不調が出始めるわけです。
具体的なやり方については、以下の本がものすごく参考になるのでご一読ください。
あわせてこちらの記事もどうぞ。
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克服法③:人生の「価値」を見つける
人生における「価値」とは、自分が「これは大切だ、これは大事にしたい」と思っているもののこと。
そして「価値観」とは、何に価値があるのか?を判断するものの見方、考え方のことだと解釈しています。
自分の価値観を見定め、その価値に沿った行動を増やしていくという考え方は、最先端の心理療法である「アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)」でも重視されています。
実際、ACTは不安障害への効果が高く、人生の満足度も上がるという研究・分析もあるよう2。
ACTの権威であり医師・心理療法士のラス・ハリスさんは「価値は世界を生きるに値するものに変える」とおっしゃっています3が、僕ら人間にとって「価値」は人生の満足度さえ変えてしまうほど重要なものなんですね。
とはいえ、いきなり価値だのなんだと言われても…って感じだと思うので、まずは以下の質問の答えを考えてみてください。
もしパッと思い浮かぶものがあるなら、それが価値であり「生きる意欲の源」です。
例えば僕の場合は、こうやってブログを書くこと。世の中にある素晴らしい本をもっと多くの人に知ってもらうこと。本から学び知識を増やす面白さ。こういったものに価値があると感じています。
なので僕にとっては本を読んでブログを書くことが「生きがい」なんですよね。
こんな感じであなたにとっての価値を明確にして、その価値に沿って行動すること。これが結局はやる気やモチベーションの源になります。
しかも価値から生まれるやる気って一時的なものじゃなくて長期間なんですよね。これも大きなメリットです。
あわせて以下の本を読むと、より価値を見つけやすくなると思います。
克服法④:1日の予定を立てて行動する
「予定を立てて1日を過ごしましょう」って話はよく言われますが、これは本当に重要で、今日何をするか?って方向性が決まっているだけでも人間はかなり行動しやすくなります。
「めんどくさいなぁ…」という気持ちが生まれる原因はいくつかありますが、人によっては「迷いや混乱」がめんどくさいの原因になっている場合があります。
何をすればいいのか分からない、どれから手を付ければいいのか分からない、どうやってやればいいのか分からない、どこまでやればいいのか分からない、どの順番でやればいいのか分からない、どっちから始めるか迷う…。
こういった迷い・混乱が頭の中でぐるぐる渦巻いていると、「あーもう嫌!」と頭がパンクして何もかもがめんどくさくなってしまいます。
でもその日にやること計画できていれば、Aをした後にBをして、その後はCをして…と悩んだり迷ったりすることはありません。その予定通りに進めればOKだからです。
また、そのやることの手順も明確にしておくとより行動しやすいと思います。
料理が得意な人であっても、初めての料理を作るときはちゃんとレシピを見てそのレシピ通りの手順で料理を作っていきますよね。レシピがないと何をどうすればいいのか分からずパニックになっちゃいますから。
これは他の物事も同じで、まずはこれからやることの手順を明確にするのが大切です。
手順が明確になれば、後はその手順通りに行動すればいいだけなのでかなりラクになると思います。
克服法⑤:めんどくさいと感じることは小さく始める
1日の予定を立て、やることの手順を理解しても、それでもめんどくさくて結局行動できない…って場合もあると思います。
この原因は、1個1個の行動の難易度が高すぎるのかもしれません。
例えば、「25mをクロールで泳ぎきる」という課題があるとしましょう。人によっては「なんだ簡単じゃん」と感じるかもしれませんが、「泳ぎが不得意な人からすると「逃げ出したいくらい難しい課題」だと感じるかもしれません。
ある人が簡単にできることでも、ある人からすれば高難度に感じることってわりとよくあります。
でも僕らの人生は自分がゲームマスターなので、自分で難易度を自由にコントロールできます。
さっきの「25mをクロールで泳ぎきる」という課題も「1mクロールで泳ぎきる」って難易度に変更しても全然OKなわけです。
つまり、めんどくさくて行動できないなら、その行動の難易度をもっと簡単にしちゃえばいいんですね。
洗濯をするのもめんどくさいのであれば、まずは1箇所に洗い物をまとめるだけでOKにする。仕事に行くのがめんどくさいなら、まずはベッドから起き上がっただけで良しとする。10人の人との人間関係がめんどくさいなら、まずは1人の人とゆっくり信頼関係を築いてみる。
こんな感じで、まずはめんどくさくないレベルの簡単なことから小さく始めるのがコツです。小さく始めて少しずつレベルアップしていきましょう。
克服法⑥:「できた記録」をつける
人間のモチベーションに強く影響すると言われているのが「達成感」です。
例えば、ゲームの世界を見てみると、この達成感を感じさせるような仕組みがいくつも用意されていることが分かります。
最強のラスボス、強い敵、キャラクターがレベルアップして成長するシステム、入手困難なキャラや装備などなど。
こうした達成感を感じさせてくれるような仕組みがいくつも用意されているので、僕らはゲームについ熱中してしまうんですね。
でもこれは現実の世界にも応用することはできます。
それが「できた記録」です。
その名の通り、その日にできたことを記録して達成感を味わう方法なんですが、僕の場合はカレンダーに色付きシールを貼って記録を付けていました。
この「できた記録」の良いところは、続ければ続けるほど「自分ってこんながんばったんだな!」と思えるようになるので、めちゃくちゃ元気出るんですよね(笑)
記録する「できたこと」は自由に決めてOK。
自炊できたら◎を付ける、リラックスに繋がるようなことができたら◎を付ける。ルールは自由です。
この「できた記録」はゲームでいうところの「経験値」です。
記録が増えれば増えるほど、あなたはどんどんレベルアップできます。
克服法⑦:とりあえず体を動かすクセをつける
「やる気があるから、行動できる」と考えている人も多いと思いますが、実はこれ逆なんです。
実際には「行動するから、やる気が出る」という流れでエンジンがかかるのが人間なんですね。
これは「作業興奮」と呼ばれる現象で、ドイツの精神科医エミール・クレペリンが名付けたと言われています。
学生時代とか思い返してみると、勉強するまではすごいめんどくさいし時間がかかるんだけど、一度勉強し始めると意外にサクサク進んだってことがよくありました。
これも結局は、作業興奮によってやる気が目覚めていったことが影響しているのかもですね。
僕の場合は、朝に大体決まったルーティーンで行動して軽い運動をすることで意図的に「作業興奮」を起こすようにしています。
そのおかげか、「仕事を始めるのめんどくさい…」と時間がかかることが一切なくなりましたね。
とにかくめんどくさいときは、その場で軽くジャンプするだけでもいいので、体を動かすクセを付けておくと行動力アップに役立つと思います。
克服法⑧:「動く習慣」を生み出す
極度のめんどくさがりと言っても、よくよく考えてみると普通に行動できていることっていくつかありませんか?
毎日遅刻せずに出社したり、毎日歯を磨いたり、風呂に入ったり、服を着替えたり…。
確かにめんどくさいなぁと感じるかもしれませんが、それでもちゃんと行動できていることって意外といくつかあると思います。
めんどくさいと感じても行動できることと行動できないことがあるとしたら、その違いはどこにあるのか。
この違いはズバリ「習慣」です。
ご存知の通り、人間は良くも悪くも慣れる生き物です。
めんどくさいことであっても、それが一度習慣にさえなってしまえばあとは自動的に行動できるようになります。
人間には「慣れ」という機能が備わっていますからね。
じゃあどうやって行動するための習慣を生み出せばいいのかというと、「行動の引き金」を設定するのがおすすめ。
例えば「毎朝のウォーキング」を習慣にしたい行動だとするなら、「スポーツウェアに着替える」のが行動の引き金になります。
これをセットにすることで「スポーツウェアに着替えたら、ウォーキングに出かける」という計画を立てることができます。
さらに、「スポーツウェアに着替える」の引き金も設定していきます。「朝、歯を磨く」を引き金に設定するとしたら、「朝、歯を磨いたら、スポーツウェアに着替える」という計画になりますね。
これがうまくいくと、「朝、歯を磨いたらスポーツウェアに着替えてウォーキングに出かける」まで自動的に行動の流れができるようになります。
つまり、朝起きて歯を磨くことさえしてしまえば、あとは自動的にウォーキングに出かけるまで習慣の流れが完成するわけです。
こうやって「行動の引き金」を設定して計画を作っていけば、行動するための習慣も作りやすくなると思います。
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【まとめ】極度のめんどくさがりは直せる!
- 徹底的にリラックスを積み重ねる
- 基本的な生活習慣を整える
- 人生の「価値」を見つける
- 1日の予定を立てて行動する
- めんどくさいと感じることは小さく始める
- 「できた記録」をつける
- とりあえず体を動かすクセをつける
- 「動く習慣」を生み出す
極度のめんどくさがりは何らかの病気が原因の可能性もありますが、少しずつ自分で自分を変えていく方法はいくつかあります。
さらに克服法を取り入れて脱めんどくさがり!
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参考文献
- 鈴木祐.”第2章 炎症と不安”.『最高の体調』.クロスメディア・パブリッシング, 2018, p.55-p.57.
- 鈴木祐.”第6章 価値”.『最高の体調』.クロスメディア・パブリッシング, 2018, p.187.
- Harris, Russ.”第24章 心の奥底で望んでいること――価値”.『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』.岩下慶一(訳).筑摩書房, 2015, p.206-p.207.