「運動がいつも続かない…」
「痩せたいのに運動習慣が身につかない…」
「健康にいいと分かっているのに運動が継続できない…」
そんなお悩みを抱えている人ってかなり多いと思います。
実際僕もその1人でした。
以前は運動嫌いで運動を習慣にするなんて考えられませんでした。学生の頃なんてマラソンでビリ常連でしたからね…。
体型もぽちゃってましたが、食事制限とのあわせ技で今ではこんな感じ↓に体型がガラッと変わりました。
↑すみません、この写真はイメージ画像です。自分でもここまで体型が変わると思ってなかったので写真を撮っておかなかったんです(笑)
今に至るまで運動やジム通いは何度か挫折しましたが、最終的に運動を習慣化できたのは、今回ご紹介する習慣化のコツのおかげだと思ってます。
・運動が続かない原因がわかる
・運動を習慣化する簡単なコツがわかる
・運動を習慣化するメリットがわかる
<この記事は約6分で読める!>
第1章:運動が続かないのはなぜ?習慣化できない5つの原因
僕もこの「運動が習慣化できない原因」に当てはまっていたせいで、運動やジム通いで挫折してたんですよね。
もしあなたも運動が続かなくて困っているなら、この5つの原因のどれかに当てはまっているかも?
運動が続かない原因①:いきなりハードな運動をやる
なかなか運動が続かない…というのであれば、単純にその運動がハードすぎるのかもしれません。
例えば、毎朝30分ウォーキング、1日100回のスクワットとか、一見「これならできるな」と思いがちなんですが、実際にやるとけっこう難易度高いんですよね。
運動がまだ習慣化していない段階だと、運動の難易度が上がれば上がるほど「めんどくさいなぁ…キツイなぁ…」という心理的な抵抗も増大します。
運動が続かない原因②:一度に色んな行動を習慣化しようとする
運動の難易度が上がるほど心理的な抵抗も増大するのと同じように、一度に色んな行動を習慣化しようとする場合も一気に習慣化の難易度が上がってしまいます。
「よし!毎朝30分ジョギング、1日50回の腹筋、1日50回のスクワットを明日からやるぞ!」とモチベ高く意気込んでも、実際にやってみると大変で結局三日坊主になっちゃう…ってあるあるです。
一度に色々な行動を習慣にしようとしているなら、「二兎を追う者は一兎をも得ず」になる可能性があるので注意です。
運動が続かない原因③:いつどこで何をやるか?が曖昧
そもそも「習慣」とは何でしょうか?
受賞歴を数多く持つチャールズ・デュヒッグさんはベストセラー『習慣の力』の中で、MITの研究者が発見した「習慣のメカニズム」を解説しています。この定義が参考になるでしょう。
いわく、神経学的に習慣とは「きっかけ→ルーティーン→報酬」のループによって脳に定着したもの1。著書の中で、この「きっかけ→ルーティーン→報酬」のループが習慣を形作ると繰り返されていました。
- きっかけ
(行動の引き金、行動を呼び起こすトリガー)
↓ - ルーティーン
(きっかけに反応して起こる習慣的な行動や思考)
↓ - 報酬
(行動の結果得られる報酬、ご褒美)
人間の習慣は、このループが繰り返されるほどより脳に定着し、強化され、最終的にはほぼ無意識で複雑な行動すらも難なくできるようになるわけです。
例えば、、、
- きっかけ
(仕事終わり、ストレスや疲れを感じている)
↓ - ルーティーン
(「こういう時はビールに限るな~」と感じる、そして生ビールを飲む)↓ - 報酬
(生ビールの美味しさを感じる、ほろ酔いで良い気分になる、ストレスや疲れが解消されたような感じがする)
といった感じですね。
これが繰り返されると「仕事終わりでストレスや疲れを感じると自動的に生ビールを求めるようになるシステム」が脳内に作られるんですね。
この習慣のメカニズムは、何か良い習慣を身につけたいときにも重要な考え方になります。
つまり、運動を習慣化するなら、人間が持つこの習慣のメカニズムに沿った形で行動を計画しないとうまく習慣化できないわけです。
もっと言えば、「いつ・どこで・何をやるか?」が曖昧だと、習慣のメカニズムを作るのが難しくなっちゃうんですね。
運動が続かない原因④:不測の事態に対応できない
運動が挫折してしまう1つのパターンが、イレギュラーな事態によって予定していたその日の運動ができなくなり、そのまま一気に運動が続かなくなってしまうケースです。
急な残業によってジムに行けなくなってしまったり、旅行や遊びを楽しみすぎてその日の運動を忘れてしまったり、体調不良で運動ができなかったり…。
運動を習慣化する過程では、ほぼ確実にこういったイレギュラーなことがあります。
ここをどう乗り切るか?どううまく対応するか?が習慣化の1つ重要なポイントですね。
運動が続かない原因⑤:目標が高すぎる
「目標を決めてモチベを上げるぞ!」「モチベーションが高ければ運動だって毎日続けられるはず!」って僕らは思いがちなんですが、実はこれも大きな落とし穴なんですね。
運動の効果が現れてくるまでに、基本的に何ヶ月かは必要になります。
でも高い目標を立てれば立てるほど、その目標を達成する難易度は上がり、その結果が出るまでの期間も長くなります。
つまり、高い目標は習慣化の難易度をドカッと上げてしまうわけです。
運動を習慣化するためには、ある程度進むべき方向は必要ですし、モチベーションをキープする意味でも目標は必要かもしれません。
でも運動を習慣化する過程では、どこかで必ずモチベーションが下がるタイミングがあるんですね。
高すぎる目標を掲げていると、こういうときにものすごく辛くなります。1歩進んで2歩下がるような苦しさを感じて、挫折しやすくなってしまうんです。
運動の習慣化において重要なのは、遠い先の目標をむやみに追うことではなく、進む方向だけ決めて今日1日だけ運動をがんばること。
今日1日のがんばりを積み重ねた先に、運動を習慣化して得られる「美味しい果実」が待っています。
第2章:運動が続かない人のための超簡単な習慣化のコツ5選
では、運動を習慣化する5つのコツをご紹介しますね。
- レベル1から始める
- 1個ずつ習慣化していく
- 習慣のループを作る
- プランBで柔軟に対応
- 自分のがんばりを記録
1つずつ解説しますが、この5つのコツさえ押さえて運動に取り組めば、かなり習慣化しやすくなると思います。
僕が運動を習慣化できたのもこの5つのコツのおかげです。
習慣化のコツ①:レベル1から始める
どんなゲームでも、最初は「Level.1」からスタートしますよね。
そしてスライムみたいな弱いモンスターを倒しながら少しずつレベルアップし、最終的には強大なボスを倒すほどのレベルとステータスを手に入れます。
運動の習慣化もこれと同じで、最初はレベル1から始めて超簡単な運動だけをするようにします。
・毎朝5分だけその場で足踏みする
・歯を磨くときだけスクワットをする
・1日3回だけジャンプする
最初のうちは「これやる意味ある?」って疑問を感じるくらい簡単なことだけやるようにしましょう。
特に今まで運動の習慣がない人は、まず先に「運動を生活習慣の中に組み込む」ことをしてあげる必要があります。
つまり、まずは「0→1」にする。先に「0→1」にして「自分は毎日運動をしている」という事実を作ることが大切なんですね。
運動を習慣にする最初の段階では、まず継続することに重点を置いて、笑っちゃうくらい簡単な運動だけに取り組んでみてください。
そうやって1週間~2週間続けて慣れてきたら、少しずつ運動のレベルを上げていきます。
運動する時間を15分長くしてみる。運動する回数を10回増やしてみる。ウォーキング100%を「ウォーキング80%+ジョギング20%」にしてみる。
こうやって少しずつレベルアップしていきましょう。
「運動習慣化クエスト」というゲームでは、誰でもまずはレベル1からのスタートです。
でも継続していけば、心も体力も成長し、いずれは少しハードな運動にもチャレンジできるようになります。
具体的な運動のメニューに関しては、以下の記事で触れているのでこちらをどうぞ。
「運動不足は体に良くない」「運動すると健康に良い」。これはほとんどの人が分かっていることだと思います。 でもその一方で、運動を毎日の習慣にしている人の割合って実はかなり低いんですね。 厚生労働省が公表している最新のデータによれば、約6,00[…]
習慣化のコツ②:1個ずつ習慣化していく
運動を習慣にする際、「毎朝30分のウォーキングと1日50回のスクワットと食事制限を習慣にしよう!」て感じでいっぺんに色々な行動を習慣化しようとしがち。
さっきもお話しした通り、これは挫折率を上げるやり方です。
習慣化の基本は、「1個ずつ習慣化していく」ことです。
「まずは毎朝30分のウォーキングを習慣にする。これが習慣化できたら、次は1日50回のスクワットを習慣にしよう」。これがベストなやり方ですね。
とはいえ、1個ずつ習慣化していくと場合によっては時間がかかりすぎてしまうので、、、
- Aの行動を2週間継続できたら、Bの行動の超簡単版をスタートする
- Aの行動が1ヶ月継続できたら、Bの行動のレベルを上げる
- Bの行動を2週間継続できたら、Cの行動の超簡単版をスタートする
- Bの行動を1ヶ月継続できたら、Cの行動のレベルを上げる
みたいな感じで、少し習慣化の時期をズラしながらやっていくと負担が少ないと思います。
習慣化のコツ③:習慣のループを作る
人間が持つ習慣のメカニズムについて先ほどお話ししました。
- きっかけ
(行動の引き金、行動を呼び起こすトリガー)
↓ - ルーティーン
(きっかけに反応して起こる習慣的な行動や思考)
↓ - 報酬
(行動の結果得られる報酬、ご褒美)
運動を習慣にする場合も、この習慣のメカニズムに沿う形で運動のメニューを計画していくとスムーズに習慣化できるようになります。
そしてそれを繰り返して習慣のループを脳に覚え込ませれば、もう勝ったも同然ですね。
じゃあどうやって習慣のループを作るのか?というと、ポイントは今ある習慣の前後に運動を組み込むこと。
例えば、毎朝30分のウォーキングを習慣にしたいとしますね。
でもこれだけだと「いつやるのか?」がまだ曖昧です。なので今ある習慣の流れに組み込んでみます。
- 朝起きたらトイレに行く
- トイレに行ったら洗面所に行く
- 洗面所で歯を磨いて顔を洗ったら、スポーツウェアに着替える
- スポーツウェアに着替えたら、ウォーキングに出かける
こうやって元々習慣になっていることの前後に組み込めば、かなり習慣化しやすくなります。
この習慣の流れの1つひとつに、実は習慣のループが働いています。
- 朝起きるという「きっかけ」によってトイレに行く「ルーティーン」が発動する
- そして、トイレで出すもの出してスッキリした気持ち良さが「報酬」になると同時に、これがまた「きっかけ」になり、洗面所に行くという「ルーティーン」が開始される
- 洗面所で歯と顔をスッキリさせて気分爽快になる「報酬」を得たら、またそれが「きっかけ」になり次の行動が開始される…
こういった習慣の絶え間ない流れを作り、その中に運動を組み込んでいきましょう。
このループを繰り返すほど、脳の中にこの習慣のループが定着していきます。
習慣化のコツ④:プランBで柔軟に対応
イレギュラーな状況になり運動ができなくなると、一気に挫折しやすくなります。
ある程度運動が習慣になってきた段階でも、ここが挫折するポイントになることがあるんですよね。
この挫折ポイントを乗り越えるためには、「運動ができなくなる日でもできるような簡易的な運動メニューを用意しておく」のがベストです。
つまり、プランBの運動を用意して柔軟に対応できるように準備しておこうってやり方ですね。
例えば、自宅でできて道具も必要のない3分でできるトレーニングを用意しておく。ジムに行けない日のために自宅でできるエアロバイクを購入しておく。
こんな感じで普段の運動とは別にプランBも用意しておきましょう。
・雨の日でもできる運動
・旅行先や外出先でもできる運動
・体調不良でもできる運動
(※体調悪い日はスクワット1回だけでOK)
といった様々なケースを想定しておくとより継続しやすくなります。
習慣化するまでは、とにかく行動の継続を断ち切らないことが大切です。
でも今回のコロナショックのように、誰も予想できなかった事態によって外出が制限される場合もあります(今回のコロナの場合、ジムでクラスターが発生した例もありましたしね…)。
なのでプランBって実はめちゃくちゃ重要なんですよね。
習慣化のコツ⑤:自分のがんばりを記録
高すぎる目標を立てるのは、それだけ心理的な負担も増える上にモチベーションも不安定になりやすいのであまりおすすめはしません。
とはいえモチベーションはある程度必要なので、違うアプローチをしていきましょう。
ポイントは、遠い先の目標に意識を向けるのではなく、今日1日だけとりあえず運動すること。
そして今日1日がんばって運動できたら、その進歩の証を記録することです。
具体的にはこんな感じ↓。
僕の場合、こういうカレンダーにシールを貼って運動した記録をつけていました。
騙されたと思って1週間だけでもやってみてください。
たったこれだけでも効果は絶大です。
- 日に日にシールが増えていくのが楽しくなる
- 自分のがんばりが目で見てハッキリわかる
- この継続の鎖を途切れさせたくない心理が働く
などなど、「よし!明日も運動がんばろう!」と思えるモチベーションを作り出せるんですね。
あとはこれを繰り返していけば、運動を習慣化できると思います。
良い習慣を身につけたい、あるいは悪い習慣を減らしたいときにそのサポートツールとして役立つのが「習慣トラッカー」です。 習慣チェックリストやハビットトラッカーと呼ばれることもありますが、要は「ちゃんとできたかどうか?をチェックする」ためのツー[…]
第3章:運動を習慣化するメリット!毎日続けるとこんな効果が?
では最後に、運動を習慣化するとどんな良いことがあるのか?についてもお話ししておきますね。
これを知っておくと運動のモチベーションをアップできますよ!
メリット①:短時間の運動でも心身の健康に役立つ
「ハードな運動を長時間やらないと!」と以前は思っていたんですが、実はどうやら短時間の運動でも心身の健康維持には十分みたいなんですよね。
など、科学的なデータでも良好な効果が出ているようです。
運動が苦手な人、運動が嫌いな人からするとこれは朗報ですよね。
何時間も運動するのは苦行ですが、たったこれだけの短時間でも健康に役立つっていうのは嬉しい…。
メリット②:脳機能をぐんぐん成長させられるかも
運動と脳の関係について最新の知見を集めた1冊『脳を鍛えるには運動しかない!』の著者で医学博士のジョン・J・レイティ博士は、何百という研究論文に基づき「運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段だ」と強調されています4。
有酸素運動には脳内の脳由来神経栄養因子(BDNF)を増加させる効果があるそう5。
このBDNFは、学習能力や記憶能力の向上と密接に関わっている脳内物質です。
簡単に言えば、運動をすればするほど、体力や筋肉に加えて「脳」も鍛えることができるんですね。
【まとめ】運動が続かない人でもこの習慣化のコツを押さえればOK
では最後に改めて、運動を習慣化する5つのことをまとめておきますね。
- レベル1から始める
- 1個ずつ習慣化していく
- 習慣のループを作る
- プランBで柔軟に対応
- 自分のがんばりを記録
運動が続かない人でも、この習慣化のコツを押さえておけばかなり運動習慣を継続しやすくなると思います。
「継続は力なり」とよく言われるように、ダイエットにしても運動にしても勉強にしても、欲しい結果を得るためには結局「習慣化できるかどうか?」が大きな分かれ道になります。 日本を代表する伝説的なプロ野球選手だったイチローさんは、「準備の鬼」「習慣[…]
参考文献
- Duhigg ,Charles.”第1章 「習慣」のメカニズム”.『習慣の力』.渡会圭子(訳). 講談社, 2013, p.39-p.42.
- 鈴木祐.”chapter 3 —-動く”.『新装版 パレオダイエットの教科書』.扶桑社,2019, p.131.
- 鈴木祐.”chapter 3 —-動く”.『新装版 パレオダイエットの教科書』.扶桑社,2019, p.131-p.132.
- Ratey, John J. ” 第一〇章 鍛錬――脳を作る ”. 『脳を鍛えるには運動しかない!』 .野中香方子(訳), NHK出版, 2009, p.308.
- Ratey, John J. ” 第二章 学習――脳細胞を育てよう ”. 『脳を鍛えるには運動しかない!』 .野中香方子(訳), NHK出版, 2009, p.67-p.68.