良い習慣を身につけたい、あるいは悪い習慣を減らしたいときにそのサポートツールとして役立つのが「習慣トラッカー」です。
習慣チェックリストやハビットトラッカーと呼ばれることもありますが、要は「ちゃんとできたかどうか?をチェックする」ためのツールですね。
実際、僕も習慣トラッカーのおかげで、全くのゼロから以下の習慣の身につけることができました。
- プチ断食(ダイエット)
- 運動、筋トレ
- 読書
- ブログの執筆
- 脳トレ
というわけで今回は、その習慣トラッカーの始め方、習慣トラッカーを使った習慣化の仕方を完全解説したいと思います。
・習慣トラッカーとして役立つアイテムが見つかる
・習慣トラッカーを使ってサクサク習慣化する方法がわかる
・習慣トラッカーが続かないときの対処法がわかる
<この記事は約8分で読める!>
第1章:習慣トラッカー(ハビットトラッカー)の基本
習慣トラッカー(ハビットトラッカー)とは?
習慣トラッカー(ハビットトラッカー)とは、自分が習慣にしたいと思っていることや逆に減らしたいと思っている習慣を書き出して、ちゃんとそれができたかどうかをチェックする表のこと。
「トラッカー(tracker)」と言うように、まさに追跡していくツールですね。
習慣トラッカーは、それが習慣化や脱悪習慣に役立つものであれば形式やルールはかなり自由でOK。
1ヶ月単位のチェックリストを作る人もいれば、1週間単位で管理する人もいます。
手帳やメモ帳を習慣トラッカーにする人もいれば、アプリなどを駆使する人もいます。このあたりの自由度が魅力の1つですね。
イラストを加えたりシールを貼ったり、楽しみ方も人それぞれです。
習慣化の基本
とはいえ習慣トラッカーはあくまで道具なので、この道具をいかにうまく活用して習慣化を成功させるか?が最大のポイントです。
習慣化の基本として重要なのが以下の3つになります。
- 続けることが最重要
- 習慣のメカニズムに沿って習慣づけを行う
- 進歩を記録する
「千里の道も一歩から」という言葉にもある通り、基本的にはダイエットにしても運動にしても筋トレにしても勉強にしても、継続して小さな努力を積み上げてこそ、大きな果実になるわけです。
なのでまず最も重要なのが「続けること」です。
1回1回の行動は本当に小さく簡単でも良いので、まずはその行動を日常の一部にしていくことが習慣化の肝です。
じゃあどうやって続けていけばいいのか?というと、習慣のメカニズムに沿って習慣づけを行うという方法が効果的なやり方です。
受賞歴を数多く持つチャールズ・デュヒッグさんは著書『習慣の力』の中で、MITの研究者が発見した「習慣のメカニズム」を解説しています。
いわく、神経学的に習慣とは「きっかけ→ルーティーン→報酬」のループによって脳に定着したパターンだそう1。
お酒を飲む習慣をこの公式に当てはめて例えると、、、
- きっかけ:
(仕事終わりの時間帯に適度な疲れを感じている)
↓ - ルーティーン:
(生ビールをごくごく飲む)
↓ - 報酬:
(仕事終わりに飲む生ビールの美味しさ、ほろ酔いの気持ちいい感覚)
といった流れによって習慣になっているわけです。
この一連の流れが繰り返されるほど、よりパターンが強化されます。
最終的には、行動のきっかけ(仕事終わりの時間帯に適度な疲れを感じている)を脳が感知したら無意識のうちに生ビールを求めて体が動き始めるようになります。
逆に言えば、この「きっかけ→ルーティーン→報酬」のメカニズムに沿って習慣化したい行動を設定して繰り返していけば、それだけ強固な習慣づけができるようになるわけですね。
しかし習慣化において問題になるのがモチベーションです。なかなかモチベーションが続かないって経験は誰でもありますよね。
そこで重要なのが「進歩を記録する」こと。つまり、習慣トラッカーの出番です。
習慣トラッカーの良い点は、できたかどうかをパッと見でチェックできるのはもちろん、ちゃんと継続できてるぞ!と進歩を見てモチベを維持できるのも◎なんです。
また、習慣トラッカーに記録することによって簡易的な達成感や前進している感覚を得ることもできます。
このポジティブな感情はさっきの習慣のメカニズムで言うところの「報酬」になるので、より習慣化の効果アップにもなるんですね。
第2章:習慣トラッカーを始める前の準備
習慣トラッカーを始める目的を決める
まずは「何を習慣にしたくて習慣トラッカーを使うのか?」という目的ですね。
ダイエットを習慣にするとか、運動を習慣にするとか色々あると思います。
何か良い習慣を身につけたいけど、まだ具体的には決まってないなーって人は以下の記事を参考にどうぞ。
「良い習慣は人生を変える」と言われることもありますが、じゃあ具体的にどんな習慣が「良い習慣」なの?って点は前から気になってたんですよね。 良い機会なので今回は「これを続けていったら人生変わる!」っていう良い習慣を33個リストアップしました。[…]
準備編のポイントとしては、以下の3点。
- 一度に身につける習慣の数を減らす
- 1つひとつの行動の難易度を下げる
- 行動を具体的に決める
習慣トラッカーって何個も身につけたい習慣をリストアップするようになっているものが多いんですけど、やっぱり一度に何個も習慣化しようとするのは難しいんですよね。
ドカンと難易度が上がると思います。
なのでまずは1個か2個くらいから始めて、それが習慣化できたら次の習慣化に取り組むって流れの方が実は負担が少ないんですね。
加えて、1つひとつの行動の難易度を下げる工夫も必要。
いきなり30分のウォーキングを習慣化するぞ!と意気込んでも、普段から運動してない人が習慣化するのは意外と難しいと思います。
なのでまずは継続することを第一に考えて、「5分のウォーキングを続ける」くらいに設定した方が簡単に続けられます。
また、習慣を設定するときは「具体的に決める」のがおすすめ。
「5分のウォーキングを続ける」よりも「朝、顔を洗ったらスポーツウェアに着替えて5分間ウォーキングする」と設定した方が行動しやすくなります。
こうやって「Aをしたら、Bをする」という形式で設定すると、よりグッド。
「朝、顔を洗ったら→スポーツウェアに着替える→5分ウォーキング」というパターンを脳に覚えさせることができます。
あなたはアナログ派?デジタル派?
習慣トラッカーも、手帳やノートを使うアナログ派とアプリやツールを使うデジタル派に分かれると思います。
これは完全に好みの問題なのでお好きな方をどうぞ。
アナログ派におすすめの習慣トラッカーとデジタル派におすすめの習慣トラッカーの両方を紹介しておきます。
アナログ派の習慣トラッカー2選
ハビットトラッカー/ミドリ
習慣化したいことをリストアップして、できたかどうかを毎日記録する日記帳です。
こちらは完全にハビットトラッカーとしての機能に特化したアイテムになっています。ミドリさんはノートの質とかも良いので好印象ですね。
Panda Planner
パンダプランナーは、習慣管理もやることリストも日記もこれ1つにすべてまとまったオールインワンの手帳です。
こちらは海外のAmazonでしか手に入らない(日本のAmazonだとめちゃくちゃ高いので非推奨…)一品ですが、めちゃくちゃおすすめですね。
カレンダーのように1ヶ月間の記録もできますし、1週間単位でも1日単位でも計画が立てられるすごいプランナーです。
ここまでまとまった手帳って日本だとあんまりないんですよね。
僕の場合は、こちらの1ヶ月単位のカレンダーをハビットトラッカーとして使ってました。
↑こんな感じで、ペタペタシールを貼ってました(笑)
類似品だと、Fox Plannerとかもおすすめですね。
デジタル派の習慣トラッカー2選
デジタル派におすすめなのは、以下の2つです。
- Google スプレッドシート
- Google カレンダー
習慣化系のアプリを使っても全然アリなんですが、この2つはクラウドなのでパソコンからでもスマホからでも使えますし、何よりも自分のアイデアと工夫次第で色々カスタマイズできる拡張性の高さが◎。
手帳とか日記帳とかだと、どうしてもスペースや枠の制限があったり書く手間があったりで、意外とめんどくさいことが多いんですよね。
でもデジタルならテンプレートを使えば記録が簡単にできる、無料でできる、スペースの制限がない、自由度が高いなど、色々とメリットが豊富。
僕も最終的にはデジタルでやるようになりました。
ちなみに僕はこういうテンプレートを作ってハビットトラッカーにしてました。
一応テンプレート↓置いておくのでご参考にどうぞー。
・習慣トラッカー テンプレート/Googleスプレッドシート
そのままコピーしていただいてもOKです。
使う習慣トラッカーが決まったら、準備編は完了です。
第3章:いざ運用開始!習慣トラッカーは使いながら磨き上げる
ここでは、習慣化の初期~後期にかけてどうやって習慣トラッカーを運用していくか?について解説します。
習慣化の初期は超簡単なことだけをする
習慣化の初期(最初の1週間~2週間)は、三日坊主って言葉もある通り、もっとも挫折率が高い時期と言われています。
つまり、この初期が最大の難関になります。
なのでまずは「続けること」を何よりも優先して、初期は超簡単な行動だけを習慣トラッカーに設定しましょう。例えば、、、
- 朝、顔を洗ったら、スポーツウェアに着替えて5分間ウォーキング
- 夕食時、ご飯の量をお茶碗の半分までに減らす
- 寝る前にベッドに入ったら、5ページだけ本を読む
- お風呂に入る前に、20回だけ腕立て伏せをする
- 行動できたら、習慣トラッカーを開いて達成のスタンプを押す
といった感じで、できるだけ行動の難易度を下げちゃいましょう。
バカバカしいくらい簡単でも最初はOKです。3回だけ腕立て伏せして今日の筋トレは完了!でも全然良いと思います。
繰り返しになりますが、この初期は「続けること」が第一なので1回1回の行動は超簡単でもOK。
ただ、一度に色んな習慣づけを行おうとすると難易度が上がるので最初は1個か2個ずつ取り組んでいくのがベターですね。
習慣トラッカーを使う際はこの点に注意です。
習慣化の中期は柔軟さを重視
習慣化の中期(2週間~1ヶ月)は、身につけたい行動が習慣になりつつある段階です。
習慣トラッカーや習慣化のテクニックによって、なんとか形になってきた時期ですね。
この時期は少しずつ行動の難易度を上げていきたいところですが、まだ不安定な時期なので、イレギュラーな状況に弱いという注意点があります。
例えば、急な残業でいつもの時間に行動ができなくなった、急に予定が入ってその行動をする時間がなくなってしまった、お酒を断っていたのに、会社の飲み会でつい飲んでしまった…などなど。
こういった予定外の状況に陥り、習慣になりつつある行動ができなくなると、途端に挫折しやすくなります。
「せっかくがんばってきたのに…もうダメだ」と感じて、今まで積み重ねてきたものが崩れていくような気分になるんですよね…。
これも1つ習慣化の挫折パターンです。
なんとか回避したいところ。
習慣化の中期は、とにかく柔軟さが大切です。
さっき挙げたようなイレギュラーな事態が起こるものだとあらかじめ想定しておき、予定が崩れた日でもできる行動を計画しておくと臨機応変に対応できると思います。
仮に「仕事終わりにジムに行って筋トレをするのが日課になりつつあるが、ある日仕事で残業になりジムに行けなくなってしまった」とするなら、「じゃあ自宅でもできる簡単な筋トレで今日はOKにするか」といった感じで対応していく。
その日だけ行動する回数を減らす、その日だけ時間を短くする、その日だけは何食べてもOKな日にする。
こういうプランBを用意しておけば、続けてきた行動を途切れさせることなく柔軟に継続していけます。
習慣化の後期は変化を楽しむ
習慣化の後期(1ヶ月~3ヶ月)は、ほぼ行動が習慣になってきた段階であり、習慣化の成果も感じつつある段階です。
とはいえ、まだ油断はできません。
この時期は、マンネリ・退屈感・モチベーションの低下が障壁になります。
いくら体に良くてダイエット効果が高いメニューであっても、それを毎日何ヶ月も食べるってなるとさすがに飽きますよね。段々とやる気も落ちると思います。
なので習慣化の後期は、行動を継続しつつも変化を取り入れて楽しむ工夫をしていくのがコツです。
「少し筋トレのレベル上げてハードなトレーニングに挑戦してみるか!」とか「あと3kgがんばって痩せるぞ!」とか「ウォーキングからランニングに変えてみるか!」とか「違うやり方を試してみるか!」みたいな感じですね。
僕もこうやって内容をちょくちょく変えてます。
工夫すること自体も楽しいですしね。
習慣トラッカーは運用しながら最適な形に調整する
習慣トラッカーの使い方も、こうやって習慣化の段階にあわせて柔軟に調整していく方がうまくいくと思います。
初期の段階では、できるだけ習慣にしたいことを厳選して簡単なことだけをやる。
中期の段階では、少し難易度を上げつつその日の状況にあわせて柔軟に行動を変える。
後期の段階では、変化を取り入れて飽きないようにする。
こんな感じで柔軟に調整していくと継続しやすくなりますし、より習慣トラッカーも磨き上げられて使いやすいものになっていくと思います。
第4章:習慣トラッカーが続かないときは?
ケース①:習慣トラッカーが続かない…
習慣トラッカーの落とし穴の1つが「習慣トラッカーを使う習慣が身につかない」こと。
よし習慣トラッカーで習慣化するぞ!と気合いを入れて始めても、途中から習慣トラッカーを使うのを忘れたり、めんどくさくなって全く使わなくなったりって意外とあるあるです。
この場合はまず「習慣トラッカーを使う習慣を身につける」必要があります。
方法はシンプルです。習慣トラッカーに「(習慣にしたい行動)ができたら、習慣トラッカーに記録する」と付け加えて、それを繰り返すだけです。
そもそも習慣トラッカーがめんどくさいって場合は、記録の仕方をもっと簡単にすると良いかもですね。
さっきご紹介したGoogleスプレッドシートを使ったやり方ならめちゃくちゃ簡単&ラクなのでおすすめ。
ケース②:ぜんぜん習慣化できない…
「習慣トラッカーを使ってもぜんぜん習慣にならない…やっぱり挫折しちゃう…」って場合は、
- 行動の難易度が高すぎる
- 一度に多くの習慣を身につけようとしすぎている
- 目的を見失っている
といったあたりに原因があるかもしれません。
習慣は継続してこそ意味があるので、習慣になるまではできるだけ難易度を簡単にして行動しやすくしてあげる必要があります。
なかなか習慣化できないのであれば、もっと行動を簡単にしてみましょう。
と同時に、その習慣をなぜ身につけたいのか?という目的も再確認します。
「夏までに自信が持てる体を作りたい」「本を読んで知識を増やし、自分を成長させたい」など、何か理由があるからその習慣を身につけようと決めたはず。
定期的にその目的を再確認してモチベーションを維持する作業も取り入れたいですね。
詳細は以下の記事をどうぞ。
「継続は力なり」とよく言われるように、ダイエットにしても運動にしても勉強にしても、欲しい結果を得るためには結局「習慣化できるかどうか?」が大きな分かれ道になります。 日本を代表する伝説的なプロ野球選手だったイチローさんは、「準備の鬼」「習慣[…]
ケース③:習慣トラッカーがしっくりこない…
習慣トラッカーを使って一応は行動できているけど、なんとなく習慣トラッカーがしっくりこない。使用感がイマイチで微妙に違和感がある。
こういった場合は習慣トラッカーをどんどん変えていくことで対処できます。
- 1ヶ月間の習慣トラッカーから1週間の習慣トラッカーに変える
- 違う習慣トラッカーを購入する
- 記録のルールを変える
- アナログからデジタルに変える
- グラフを作って自分のがんばりを見える化する
などなど、色々やり方はあります。
人によって最適な形って違ってくるので、こればっかりは運用しながら模索していくしかないですね。
【まとめ】習慣トラッカーは工夫次第で最強のツールになる
習慣トラッカーは、使い方次第で強力な習慣化サポートツールになります。
とはいえあくまで道具なので、活かすも殺すも使い手次第です。
今回お話ししたように、習慣化の基本に沿って使っていくのが大切です。
- 続けることが最重要
- 習慣のメカニズムに沿って習慣づけを行う
- 進歩を記録する
そして、挫折を回避して継続していくためには、以下のポイントも重要。
- 一度に身につける習慣の数を減らす
- 1つひとつの行動の難易度を下げる
- 行動を具体的に決める
あとは習慣化の初期・中期・後期の段階に応じて柔軟に行動していく。
- 習慣化の初期は超簡単なことだけをする
- 習慣化の中期は柔軟さを重視
- 習慣化の後期は変化を楽しむ
習慣トラッカーも、こういった習慣化のルールに沿って使っていくことで、その効果を十分に引き出せると思います。
でも正しいやり方に沿って進めていけば大丈夫です。
挫折したって何回でもやり直せばいいですからね。
参考文献
- Duhigg ,Charles.”第1章 「習慣」のメカニズム”.『習慣の力』.渡会圭子(訳). 講談社, 2013, p.39-p.42.