「どうしても怠けてしまう」
「つい先延ばししてしまう」
「後悔すると分かっているのにだらけてしまう」
僕も怠け者なのでよくこういうことがあるんですが「この怠け癖をなんとかせねば…」と思って色々取り組んでみた結果、かなり克服できたんじゃないかなーって満足できるくらい直すことができました。
・怠け癖の原因がわかる
・怠け癖を克服する方法が手に入る
・怠け癖を完全に克服する3ステップがわかる
<この記事は約6分で読める!>
第1章:怠け癖の原因とその心理
まずは怠け癖の原因とその裏に隠された心理についてお話ししておきますね。
この5つの原因に当てはまっていないか自己診断してみてください。
原因 1:疲れ切っている
日々の忙しさに追われて疲れ切っている、仕事や人間関係のストレスで心が参ってしまっている。
こういう心身の状態のときは、「体が休みたがっている」&「怠けたいという強い欲求を抑える力が弱まっている」ため、どうしても怠けてしまいます。
そしてこういった心身の状態が長期化すれば、怠けることが段々と「当たり前」になり、怠け癖に発展しちゃうんですね。
原因 2:いつ何をどうやるのか?があいまい
人間はそもそも、あいまいで分かりにくいことを行動に移すのが苦手な生き物です。
例えば、「また今度ご飯行こうね!」というあいまいな約束と「今週の土曜日の19時に◯◯のお店でステーキね!」という具体的な約束とでは、どちらの方が行動しやすいと感じますか?
やっぱり後者の方が行動に移しやすいですよね。
そして前者の口約束はたいていお流れになることが多い。
これも結局は、あいまいか?具体的か?の違いです。
つまり、いつ何をどうやるのか?があいまいだと人間はどう行動に移せばいいのか分からず、結局ラクな方に(怠ける方向に)流れてしまうというわけです。
この積み重ねによって怠け癖が出来上がっている可能性も1つありますね。
原因 3:やろうとしていることが難しすぎ
あなたはどんなときに怠けることが多いですか?
もし「あれやらなきゃいけないんだけど、めんどくさいんだよなぁ…」と感じるのであれば、その行動の難易度が高すぎるのが原因かもしれません。
自分がレベル1の状態でレベル10のモンスターを倒すのはかなり難しいですよね。
これと同じで、
- 自分の現状よりも難易度が高いことをやろうとしている
- 複雑であいまいなことをやろうとしている
- コンディションが悪いのに難しいことをやろうとしている
って場合は、このハードルの高さが心理的な負荷になり「めんどくさいなぁ…やめとこうかなぁ…」という方向に考え方が傾いてしまうんですね。
5段くらいの跳び箱なら「これなら余裕~」と思えますが、20段の跳び箱を目の前にしたら「い、いやぁ…俺はパス…」と言いたくなるのが普通の心理です。
うまく行動の難易度を下げて対処していきたいですね。
原因 4:怠けやすい環境にいる
人間は習慣の生き物であり、できるだけ行動をパターン化してラクをしようとする心理があります。
そのため人間は「どういう環境か?」にあわせて複数のパターンを切り替えて行動しています。
簡単に言うと、、、
- 自分の部屋で長時間過ごし「ここはリラックスできる環境」だと脳が理解する
→自分の部屋にいると自然とリラックスモードになる - 仕事場で集中して仕事を繰り返し「ここは仕事をする環境」だと脳が理解する
→仕事場に来ると自然と仕事モードに切り替わる
こんな感じで、人間は環境に応じて自分の行動パターンや心理状態をある程度決めて行動を選択しています。
なので「どうしても怠けてしまう」というのも、実は「いつも怠ける場所にいる」のが原因になっている可能性がありますね。
原因 5:怠け癖はあるけど動く癖がない
良くも悪くも人間は習慣の生き物。
動く癖を付ければ行動しやすくなりますが、動く癖がなく怠け癖しかないと自然と怠ける選択ばかりしてしまいます。
しかも厄介なのは、怠け癖って癖付けるのが世界で1番簡単な癖という点ですね。
動く癖を付けるのは工夫が要りますが、怠け癖を付けるのは超簡単です。
怠けるのに何の知恵も努力もいりません。今すぐその場でできちゃいますから。
動く癖が自分の中にないと自然と怠け癖が付いてしまうのが人間のよろしくないところなんですよね。
第2章:怠け癖を克服する12の方法
怠け癖を克服する12の方法がこちら。
- 環境を変える
- その日にやることを決める
- やることの手順をハッキリさせる
- 行動の難易度を下げる
- 行動までの手間を減らす
- 怠ける自分を受け入れる
- 行動の記録をつける
- 休む
- 頭の中をクリアにする
- プレッシャーを利用する
- 仲間と協力する
- 行動するスイッチを作る
1つずつ詳細をお話ししますが、この12個の克服法を持ち帰っていただければ怠け癖を退治しやすくなるはずです。
克服法 1:環境を変える
人の行動はそのときその場にいる環境にかなり左右されやすい。
いつも同じ環境にいて同じように怠け癖が発揮されるなら、環境をガラッと変えるのが手っ取り早い方法です。
特に、仕事の作業、勉強、何かを作るといった集中力がいることに関してはやはりまず「集中できる環境をつくる」のが重要だと思います。
環境を変えるやり方は以下のアイデアが参考になるかと。
- 場所を変える(自宅→カフェ)
- 部屋を変える
- 体勢を変える(座る→立つ)
- 「リラックスする場所」と「活動・集中する場所」をしっかり区別する
- 部屋の一角に簡単な仕切りを用意して空間を分ける
といったやり方ができますね。
「リラックスする場所」と「活動・集中する場所」をしっかり区別するのは特に重要で、この区別をきちんと脳が覚えれば、自在に自分のモードを切り替えられるようになります。
克服法 2:その日にやることを決める
いつ何をどうやるか?があいまいだと、「何をやればいいの?どうやればいいの?いつやればいいの?」と頭の中が疑問符だらけで混乱してしまい、なかなか行動に移せなくなります。
なので、事前にその日1日に何をやるのか?を決めておくのがベストです。
僕の場合は、午前・午後・夜の3つに分けて何をやるのかを前日の夜に決めることを癖づけています。
これを決めておくだけでも、混乱したり迷ったりすることなくスムーズに行動しやすくなるんですよね。
ただ、あまりギチギチに計画を決めすぎると柔軟性が失われてしまうので、「午前はこれをやって午後はこれ。夜はこれをやろう」ってざっくりでも最初はOKだと思います。
そしてできれば、その予定はすぐに確認できる状態にしておくこともお忘れなく。
予定を書いたメモ帳を常に開いておく。スケージュールを書いたGoogleカレンダーを常に開いておく。
こうやってすぐに確認できるようにしておけば、より行動しやすくなります。
克服法 3:やることの手順をハッキリさせる
いつ何をやるか?については克服法2でクリアですが、どうやるのか?についてはこの克服法3を使っていきましょう。
やることの手順を具体的にハッキリさせておくのが怠け癖には効果抜群です。
人間にとって「どうやればいいのかわからない」は行動を邪魔する1つの障害物。
これを乗り越えるためには、「A→B→C→D→F」という感じでやることの手順をわかりやすくしてあげましょう。
例えば、やることリストみたいなものを作って、、、
- みかんをスーパーで買う
- みかんの皮を手でむく
- みかんを一口サイズに小分けする
- みかんを食べる
こういった手順を一度書き出してみる。できるだけ具体的に分かりやすく手順を書き出して、迷わず行動できるようにしてあげる。
これがうまくできれば「どうやるのか?」で迷わずに済みますよね。
手順が分からない場合は、まずどういう手順が必要かを調べる、分かる人に聞いて教えてもらうといったやることを追加して対応しましょう。
克服法 4:行動の難易度を下げる
行動の難易度が高いと「うわぁ…これはキツイって…」と心理的な負荷にひるんでラクな方に流れやすくなるので、まずは行動の難易度を下げてあげるのがコツです。
ポイントは、「これならできるな」と思えるレベルまで簡単に行動しやすくサイズダウンしてあげること。
例えば、30分のウォーキングなら「5分の足踏み」までレベルを下げる。食器洗いなら「とりあえず箸だけ水洗いする」。部屋の片付けなら「まずは机の上だけキレイにする」。こんな感じですかね。
とにかく行動を小さく小さくして難易度を下げる。
「ん~めんどくさいなぁ…」と感じたときは、こうやって難易度を下げて行動しやすくする工夫が効果的です。
克服法 5:行動するまでの手間を減らす
行動や習慣を変えるときの基本は、
- 行動したいときは、手間を減らして行動しやすくすること
- ついやりがちな行動をやめたいときは、手間を増やして行動しにくくすること
の2つです。
行動するまでの手間が多いと、それだけ「あれしてこれしてって…めんどくさ…」と怠け癖が発動しやすくなるのでその分だけ行動しにくくなります。
なので、できるだけ手間を簡略化してパッとすぐ行動に移せるようにしてあげることが大切です。
例えば、朝のウォーキングが億劫なら夜の時点でスポーツウェアに着替えて寝て、起きたらすぐウォーキングに行けるようにしておく。
日記を書くのが億劫なら、日記を開いてペンを置き、すぐ書き始められるような状態で机に準備しておく。
部屋の掃除が億劫なら、いつでも掃除ができるように掃除機を自分のすぐ側に置いておく。
こうやってできるだけすぐ行動に移せるように準備しておくと◎。
行動するまでの手間が1つ減るだけでも心理的にはかなりラクになるのでおすすめです。
克服法 7:行動の記録をつける
怠け癖がある=自分は怠けることが多いと認識している状態でもあります。
ということは逆に、「自分は行動的な人間だ」と自分に認識させてあげればそれだけ怠け癖から脱却しやすくなります。
そこでおすすめなのが「記録」ですね。
カレンダーにその日「行動した回数」を記録してみてください。
- 遅刻せず会社に出勤できた!+1回
- 会社で仕事ができた!+1回
- 夕食を自炊できた!+1回
- 部屋の片付けができた!+1回
- 明日の予定を計画できた!+1回
こうやって行動をカウントして、カレンダーに合計回数を記録していきます。
1週間とか2週間くらい記録を続けていくと「あれ?意外といっぱい行動してるな」と気づけるんですよね。
記録を続けていけば「自分は怠け者だ」っていう思い込みが軽減できるので1つおすすめの方法です。
克服法 8:休む
心身の疲れやストレスが慢性的にある状態だと、行動を起こす意欲が湧きにくく、つい怠ける選択をしてしまうのが人間です。
こういう状態はエネルギー切れなので、まずは自分自身を回復させるのが先決です。
- 生活の中で睡眠の優先度を上げて睡眠時間を増やす
- 15分前後の昼寝を取り入れる
- 定期的に5分ほど休憩する(目を閉じて深呼吸する)
- スキマ時間に目を閉じて深呼吸する
といったやり方で回復できます。
克服法 9:頭の中をクリアにする
行動経済学の専門家であるセンディル・ムッライナタン教授とエルダー・シャフィール教授は、「不足している、満たされていないと感じる(欠乏を感じている)ものがあると、その欠乏感のせいで他のことに集中する能力が邪魔されてしまうのではないか?」という見解を述べています1。
例えば、収入への不安、人間関係への不満、仕事への不満などですね。
こういった何か満たされていないと感じるものがあると、それへの不安や不満を考えることに脳の処理能力が奪われてしまい、脳の働きが低下しちゃうんじゃないか?と言われています。
こういう状態が慢性的だと、脳は常に能力を100%発揮できない状態になります。
パソコンで言うなら、複数のソフトを同時に立ち上げて動作が重たくなっている状態ですね。
この重い状態で新しいソフトを立ち上げようものならフリーズして何もできなくなるでしょう。
人間も同じで、不安や心配事などを思い悩むことに脳の力を使っている状態ではうまく頭が働かない。
つまり、行動力や意志力も下がって怠ける方向に流されやすくなっちゃうわけです。
そこで取り組みたいのが「頭の中をクリアにする」ことです。
方法としては簡単で、今頭の中にある「思考・悩み・感情・やりたいこと・やらないといけないこと」などを全て書き出し、整理するだけでもかなり快適になります。
頭の中だけで抱え込んでいると脳内がカオスになりますが、一旦外に出して目に見える形にするだけかなりスッキリするんですよね。
そのうえで今必要のない思考・悩み・感情などはゴミ箱にポイ。やりたいこと、やらないといけないことは優先順位を整理して1つずつ取り組んでいく。
こうやってうまく処理していくと、頭の中がスッキリ快適になり、本来自分が持っている脳の力を発揮しやすくなると思います。
克服法 10:プレッシャーを利用する
強力な「やらなければならない…!」というプレッシャーはうまく利用すれば怠け癖の克服に活用できます。
特にこの2つが重要。
- 締め切りのプレッシャー
- 他人のプレッシャー
締め切りは僕らのお尻に火をつけてくれるので行動につながりやすくなりますし、他人からのプレッシャーもお尻に火をつける良い道具になります。
できればこの2つをコンボにしたいところ。
例えば、友達と「1日から始めて31日までにスクワット1000回できなかったら3万円あげる」と約束する。
こんな感じであえてプレッシャーを自分に与えることで怠けにくくするやり方もアリです。
克服法 11:仲間と協力する
一緒に脱怠け癖に取り組んでくれる人を見つけて、その人と協力して支え合いながら怠け癖を克服するのも良いやり方ですね。
「克服法 7:行動の記録をつける」と組み合わせて、お互いに今日できた行動の回数を報告し合う。
行動力をアップできた方法があればそれをシェアする。挫けそうになったときに励まし合う。
こういった協力をすれば「あの人も頑張っているんだから自分も!」というモチベーションになります。
克服法 12:行動のスイッチを作る
怠けることを癖付けることができるのであれば、動くことを癖付けることもできます。
でも動くことを癖付けるためには少し工夫が必要です。
ここまで見てきたように、僕らを怠け者にする原因はかなり多いのでそれを克服していかないと怠ける方に流されがち…。
そこでまずはとりあえず行動のスイッチを作りましょう。
行動するとやる気が出始める「作業興奮」と呼ばれる現象が人間にはありまして、「やる気がある→行動する」ではなく「行動する→やる気が出る→さらに行動する」という流れによって行動力を上げることができます。
手を付け始めるまではグズグズしちゃうけど、手を付け始めてからは一気に進むことってありますよね?
これも作業興奮によるものだと考えられています。
ただ、この作業興奮を起動するためにはまず作業興奮オンのスイッチが必要です。
これが「行動のスイッチ」なんですが、このスイッチはその場で1分ジャンプするとか簡単なことでOK。腕立て伏せ3回、スクワット3回とかでもOKです。
「軽く体を動かしてスイッチオン→行動を起こす→エンジンがかかってくる→どんどん行動できるようになる」
この流れができるほど、怠け癖を動く癖に上書きすることができます。
第3章:怠け癖を「完全に」克服するには?
12個の克服法を使って「完全に」怠け癖を克服する行動プランについても、参考までにここに置いておきますね。
この3ステップで取り組んでいくのがおすすめです。
ステップ①:行動するシステムを作る
まずは行動するシステムを作ります。
- 怠ける自分を受け入れる
- その日にやることを決める
- 行動の記録をつける
- 行動のスイッチを作る
この4つをまず生活の中に組み込みます。
ステップ②:行動を簡単にする
- 行動の難易度を下げる
- 行動までの手間を減らす
- やることの手順をハッキリさせる
次に、この3つを使って行動を簡単にしてい動きやすくしていきましょう。
ステップ③:克服法を使いこなす
- 環境を変える
- 休む
- 頭の中をクリアにする
- プレッシャーを利用する
- 仲間と協力する
あとは、この5つを自分の状況・状態にあわせて柔軟に使っていけば、少しずつ怠け癖を直していけると思います。
【まとめ】誰でも怠け癖は克服できる!
最後に改めて怠け癖を克服する方法をまとめておきますね。復習用にどうぞ。
- 環境を変える
- その日にやることを決める
- やることの手順をハッキリさせる
- 行動の難易度を下げる
- 行動までの手間を減らす
- 怠ける自分を受け入れる
- 行動の記録をつける
- 休む
- 頭の中をクリアにする
- プレッシャーを利用する
- 仲間と協力する
- 行動のスイッチを作る
この方法を使って怠け癖を完全に克服する行動プランは、以下の3ステップです。
- ステップ①:行動するシステムを作る
- ステップ②:行動を簡単にする
- ステップ③:克服法を使いこなす
ぜひ参考にしていただければと思います。
参考文献
- Mullainathan, Sendhil. Shafir, Eldar. ”第2章 処理能力への負荷”.『いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学』.大田直子(訳), 早川書房, 2017, p.64-p101.